一期一食
017. Deep dive KOCHI 3—1日1組のアティチュード—
特定の地域に通うことは、ここ数年に起きた僕の変化だ。他拠点生活者ではないが、こういう場所があることは個人的にはすごく助かることが多い。さまざまなことを日々チャレンジしている身としては、こうやってモードや気持ちや身体感覚を新しくできるのにすごく助けられるからだ。
ここ数年、高知県には特にdeep diveしてるのだけど、今日のお店もその一つだ。
四国のほぼ中心にある高知県土佐町の名店オンベリーコ。有名な健啖家の方も紹介するほどの名店で、昼はカジュアルに行けるが、夜は人数に関わらず1組限定というポリシーを持ってやっている店だ。ここには、土佐町に行くたびによく食べに行かせてもらっています。
今日はここのスペシャリテの話を。
アンティパストミストから。地元の素材を丁寧に仕込んで、全て食べさせてくれる。
コンパクトにこだわりがギュギュっと詰まっている。じっくり食べながら、話ためていたことをたくさん話しだす。
こんなスムーズなスープなかなかない。とにかく、丁寧さが伝わる舌触りで、身体がメインに向けて準備を始めている。会話も更に進んで、メインのことが頭をよぎり始める。
メインが、ここの特徴とも言える土佐のあかうしのイチボ。あかうしはサシが多いお肉というよりは赤みが美味しいお肉。僕もこういうお肉の方が好きだ。歳を重ねたから?というより赤ワインに合う肉の味が強いのが昔から好みだった。
デザートも、しっかり色んな味を楽しませてくれます。
あえて食べ物の細かく説明しなかった。ここに来ると仲間とご店主夫妻しか店内にいないので、会話も自然と増える。とても美味しい料理をサーブしていただきながら、気楽なモードで頭にリミッターかけないで話せる。なんて贅沢なことなんだろう。気持ちも開いてくるし、お店の雰囲気もアットホーム。お店の空気感は店主が作るとよく言うけど、本当にそうだと思う。こういう地域にいると車移動がどうしても多くなるのだけど、ここはノンアルコールのワインがとても美味しく、みんなで平等に楽しめるのが本当にいい。
仲間とたくさん話したはずなのに、常宿に戻っても、部屋でまた飲みながら話し、さまざまな未来のことに想いを馳せるのだ。
オンベリーコ
高知県土佐郡土佐町田井1353-2
11:00~22:00
木定休
Tel 0887-72-9186
https://www.facebook.com/ombelico
- Bassist
濱田 織人 / Orito Hamada
ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、NPO法人SOMA副代表理事、アトリエリスタ、茶道家。芸術修士(MFA)。スタジオミュージシャンとして演奏活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと幅広く活動。2017年クリエーティブブティック創業後、活動範囲を音楽以外にも拡大し、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。日本唯一のベースの専門誌ベース・マガジンにて連載経験あり。プライベートでは、裏千家茶道家として初音庵主宰。密かに楽しんでいたサウナの魅力をゆるやかに発信中。サウナ・スパプロフェッショナル。 https://www.instagram.com/oritosroom/