香り 薫る 馨れ
非日常の風に癒される。
心を癒す匂いの正体とは?
日々忙しなく働いていると、知らず知らずのうちに心が乾いてしまう。そんな渇きを潤すために人は旅に出るのかもしれない。大自然の恵みを感じに海や山へ。真っ青な海から流れる潮風や、森の静かな空気は人の心に触れ潤いを与えてくれる。
休みなく働いている僕は、何気ない日曜の午後の日差しさえも特別に感じる。『お日様の匂い』というものに癒されているのだろう。海にも森にも太陽にも匂いがある。そしてそれは人の心を潤して癒してくれる貴重な存在だ。ただその匂いの正体とは何なのだろう? ニュアンスは伝わるが実際には何の香りなのか僕にはまだわかっていない。分かっているのは、僕はその匂いたちに癒されているということ。
海の匂いで言えば、高校まで過ごした実家の記憶。その記憶が僕を穏やかにさせ懐かしさを感じさせる。ひと気のない静かな森に入れば、涼しげな空気と草木の香りに心が安らぐ。単純にそのシチュエーションの力もあるが、やはり嗅覚に訴える何かが存在する。
小さい頃から畑の匂いや土の香り、雨が降る間際の匂いなど、様々な匂いに敏感だった。大人になると家と職場の往復で、自然な香りに触れる機会は減ってしまう。ある意味自然を求めて僕は生産者を巡っているのかもしれない。小さなころの記憶をたどるように。
とはいえ中々旅に出れない人も多いはず。そんなときは自然の香りを体に取り込み癒しの時間を作るのも良いでしょう。
僕がお勧めしたいのは『アロマミルクティー』。
牛乳に一つまみの砂糖とドライハーブを加えて一晩冷蔵庫でゆっくりと香りを移し、優しく温めた後フレッシュの柑橘やスパイスを加える。
小さい頃飲んだホットミルクのやさしさに、アロマの癒しを加えたリラクゼーションドリンクです。ラベンダーに柚子、レモングラスに生姜、僕が好きなのはヒノキに檸檬です。森林浴の香りと言われるαピネンを多く含むヒノキと檸檬の爽やかさが心を穏やかにしてくれます。疲れた夜に素敵な香りに癒されてみてはいかがだろう?
- TIRPSE Chef
田村 浩二 / Koji Tamura
Tirpseシェフ、.science Inc.CDO、L'odoriter代表。1985年生まれ、神奈川県出身。高校まで野球に打ち込むが、親友へ作ったケーキがキッカケで料理の道へ。東京で10年、フランスで1年働いたのち帰国。 シェフとして2017年にworld50best Discovery series Asia選出。2018年版ゴーエミヨの期待の若手シェフ賞受賞。 2017年に.science株式会社を立ち上げ、FOOD VISIONNINGをテーマに活動。香りを用いたプロダクト『L'aromatisane』をプロデュース。
https://mobile.twitter.com/tam30929
https://foodvisioning.science/
- TAGS