『宇宙兄弟』と、成層圏の晩茶
十三煎目🍵月まで飛んでく熱いお茶
日本茶を1000日間毎日飲むというチャレンジ=「1000日茶」に挑戦中(700日突破!)の俳優・伊澤恵美子が、
お茶と漫画をペアリングする連載「お茶に漫画が合うのだが!!」。
第13回目のテーマは、空を飛び、宇宙を目指す、挑戦と努力。
NHK連続テレビ小説『舞い上がれ!』
内気な少女だった主人公・舞がパイロットを目指す話です。朝ドラはルーティンとして見ているはずなのですが、気づくと落涙していることもしばしば。
泣いているのはだいたい空を飛ぶシーン。飛んでいるところというより、まさにその舞い上がる瞬間と、それを地上で追いかける人のシーン。もうここだけは脊髄反射的に泣いてしまいます。
人生でもドラマでも、大なり小なり人はいろんな挑戦をしますが、失敗も報われないことも何度もあって。
それでも諦めずに努力して挑戦し続けた結果、それが飛行機と人間を重力に逆らって舞いあがらせるその瞬間なんですよね。
そのパワーが集約したその瞬間を見ると、つい泣いてしまうのでした。
いきなり朝ドラの話で失礼しました。そんな空を飛ぶことで泣いてしまう条件反射を作った始まりはこの漫画かもしれないということで。
『宇宙兄弟』1巻 ©︎小山宙哉/講談社
『宇宙兄弟』
宇宙を目指す兄弟の話です。
バイブル的に愛読される方も多いのではないでしょうか?
漫画をそんなに読まない方にもファンが多いような気がします。もうね、『宇宙兄弟』のセリフを引用してくるビジネスパーソンの多いこと(笑)。それだけキャラクターが人間味あふれて、リアリティがあるんですよね。主人公のムッタとヒビトだけでなく、出てくる人全員誠実で、人間味が溢れていて、強く、優しい。愛したい人だらけなんです。
そう…私…恥ずかしながら、一時期本気で弟のヒビトと付き合いたいと思ってました…。今のところ漫画のキャラクターに本気で恋したのはヒビトだけです…。そのくらいリアル…というか、私にとっての理想のパートナー像だったんでしょう。
そんな思い出もあり、大学の頃あたりからハマったと思っていたのですが、連載開始は2007年。若い頃から追いかけ続けてきたような印象だったのですが、わりといい大人になってからの出会い(そしてヒビトへの恋)でした(笑)。今月で連載15周年だそうです。それでも新刊が出るたびに、青春のような熱い気持ちを思い起こさせてくれて、いまだに毎回一喜一泣している漫画です。
もう一つちなみに、ムッタは、1993年10月28日生まれ。サッカーワールドカップ予選敗退の「ドーハの悲劇」の日に生まれたそうです。
こちらもタイムリーな話題で、2022年ワールドカップのドーハの奇跡、感動しました。
空を飛ぶのと同じように、ジャイアントキリングは、努力と挑戦の結果がはっきり見えるもので、やはり泣けてしまいますね。サッカー界のこの30年ほどの歴史は宇宙飛行士を目指すムッタの失敗、努力、挑戦にも重なるところがあり、諦めそうになる自分をいつも奮い立たせてくれてきたのでした。
さてさて、このビッグタイトルに合わせるお茶、難しいかと思いきや、
ぴったりのもの、見つけました!
「お茶漫」初の晩茶です
この連載では和紅茶のよさをお伝えすることが多かったですが、今回は晩茶。すでにお茶界隈では晩茶に注目している方も多いようで、低カフェインで、アレルギー等への効果も見られることもあり、来年辺り晩茶ブームが来るのではないかと思っています。
ただ、ちょっとややこしいのがこの“ばん茶”。番茶の字だと、煎茶の二番茶三番茶のことですし、ほうじ茶のことを番茶と呼ぶ地域もあったりとややこしいのです。
今回ご紹介するのは晩茶=阿波晩茶(あわばんちゃ)です。徳島の特産品で、後発酵茶という乳酸菌発酵茶のことを指します。製法の説明は長くなるので、割愛してしまいますが、煎茶との大きな違いは、茶葉は茶色く葉っぱそのもので落ち葉のような見た目、そしてお味はかなり酸味やうま味が強いお茶です。
こちら上勝町の阿波晩茶なのですが、ただの晩茶ではありません。なんと、宇宙に行った晩茶なのです。
晩茶から抽出した乳酸菌を成層圏に打ち上げて、変性させたものを使用して作られた晩茶だそう。
ゼロ・ウェイストの町として注目されている上勝町だけあって、パッケージもプラを一切使っていません。シンプルでかわいい麻袋、再利用します。
「このお茶、宇宙に行ったのね…」
そんなことを思いながら味わう阿波晩茶。
Coldplayの「Every Teadrop Is a Waterfall」が聞こえてきませんか…?(映画『宇宙兄弟』の主題歌)
そして、なんと、『宇宙兄弟』は今、150話無料だそうです…!(3/31まで、コミックDAYSにて)
ぜひこの年末年始、『宇宙兄弟』と「阿波晩茶」で、2022の疲れを癒やし、2023も強く、優しく生きていきましょう!
よいお年をお迎えください。
漫画『宇宙兄弟』(小山宙哉)
30歳を過ぎてから「宇宙飛行士になりたい」という壮大な夢に挑戦するムッタ(南波六太)と、そんなムッタよりも一足先に夢を実現して月面に降り立つ弟・ヒビト(南波日々人)。そんな2人を中心に、宇宙を目指す仲間たち、それを支える人々が織りなす濃厚な人間ドラマ。
HTTPS://KOYAMACHUYA.COM/
お茶「成層圏晩茶」/ Kamikatsu-TeaMate
大阪から徳島・上勝町に移り住み、昔から変わらない製法で阿波番茶をつくる。「成層圏番茶」は持続可能な未来への取り組みとして共同でつくられた。
HTTPS://WWW.KAMIKATSU-TEAMATE.COM/
(参考:HTTPS://WWW.KAMIKATSU-TEAMATE.COM/ARCHIVES/677)
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- Actor
伊澤 恵美子 / Emiko Izawa
静岡市出身(元茶農家の孫)。俳優としての主な出演作に、映画『子宮に沈める』、ノーミーツ『門外不出モラトリアム』など。音声コンテンツプラットフォーム AuDeeでは漫画家・山田玲司氏の番組「山田玲司とバグラビッツ」のレギュラーアシスタントを務める。1000種類の日本茶を1000日間飲み続けるチャレンジ「1000茶」挑戦中(現在800日超え)。コミュニケーションをテーマにしたお茶のプロダクトブランド「BYSAKUU」の立ち上げにも携わる。推し茶は香駿。
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