砂由来の素材でできたフライパン

環境に配慮した商品や活動がいたるところに広がり、エシカルな選択が当たり前になりつつある昨今、食のシーンでもその意識が高まってきていることは言わずもがな。フードロスやプラスティック素材の規制など、食材を包む資材においても急速に変化をしていますが、ご家庭の「調理器具」はどうでしょうか？

調理器具の環境配慮に注目し、2007年に革新的な発表をしたのはベルギーで誕生したキッチンブランド「グリーンパン」です。それまで調理器具業界ではフッ素樹脂を多く使用していました。フッ素樹脂コーティングは撥水・撥油性に優れているため食材や汚れがつきにくく、さらには耐熱性や耐寒性もあり調理シーンにおいて無くてはならない存在でしたが、加熱すると有毒物質を放出するという懸念もありました。そこで「グリーンパン」はフッ素樹脂に替わる、人体や環境に安全な新たなコーティングの研究開発を重ね、世界で初めて砂由来と同じ原料からなるセラミック・ノンスティックコーティング「Thermolon™（サーモロン）」を開発。プラスティックフリーな調理器具が誕生しました。

長く大切に使えるキッチン用品を求めて

そんなベルギー生まれの「グリーンパン」が日本にやってきたのは12年前。「グリーンパン」の正規代理店である株式会社ワイ・ヨットが、アメリカやヨーロッパで行われるキッチンウェアのイベントに参加した際、「グリーンパン」が登場したということで、ブースは賑わい、当時類を見ないフッ素樹脂加工以外のフライパンの反響の大きさを目の当たりにしたそう。

「当社（株式会社ワイ・ヨット）が大切にするのは、長く大事に使えるキッチン用品。本当に良いものをお客様に届けたいという想いがあります。今は使い捨てであったり、価格が低いものが沢山ある中で、せっかくならばお気に入りかつ長く使えるものを一つでも多く提供できる企業でありたい。そんな中『グリーンパン』と出会い、環境面や安心安全な点を日本に広めたいと思いました。フライパンはフッ素樹脂を使わないとなると、ステンレスや鉄になり、食材がくっつきやすく扱いが難しいのですが、グリーンパンのセラミック・ノンスティックコーティングはくっつきにくく、熱伝導も良く、そして長く使えるというところがとても素敵だと感じます」と代表・寺田佐和子氏は話します。

株式会社ワイ・ヨット代表取締役社⻑の寺田佐和子氏

15周年を記念してエシカルトークイベントを開催

そんな“人と地球に優しいキッチンブランド”グリーンパンは、今年で15周年を迎えました。記念すべき年を祝うべく株式会社ワイ・ヨットが、下北沢［ADRIFT］にてエシカルトークショーを開催。代表の寺田氏に加え、株式会社オーガニッククルー代表の森敏氏、エシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙氏、Tomoshi Bito株式会社社長の廣瀬智之氏の4人が登壇し、環境への意識の変化や私たちが取り組むべきミッションについて話し合われました。

（左から）寺田氏佐和子、廣瀬智之氏、エバンズ亜莉沙氏、森敏氏

良質な食材を選ぶように、調理器具にもこだわる

トークの中で特に印象的だったのは、寺田氏の“グッドチョイス・グッドアクション”という言葉。

「私自身も主婦の一人。忙しい毎日で料理をするとなると、調理器具の扱いやすさはすごく大事なポイントになります。また使うことで気分が上がり、環境に良くて健康にも良い！当社ではグッドチョイス・グッドアクションという表現を使いますが、良い選択をすることで幸せが広がる。『グリーンパン』は本当に良いこと尽くしの商品だと思っています」

食べ物であれば有機やオーガニックのものを選んだり、服であればスローファッションを選んだりとエシカルな選択が日々広がっているものの、普段使用しているものが当たり前になりすぎてなかなか意識が届かない部分も……。今回のトークを聞く中で、野菜にこだわるように調理器具にも意識を向けて選択しようと思える時間となりました。

イベントでは、「グリーンパン」で調理された軽食とドリンクの提供も。サステナブルキッチン［ROSY］による料理の数々に、オーガニック蒸留酒「Greenbar」が振舞われた。

新商品「STUDIO（ストゥディオ）」コレクション

イベントでは、2023年２⽉1日に発売予定の新商品「STUDIO（ストゥディオ）」コレクションの発表も行われました。シックなボディとゴールドのハンドルが美しい洗練されたデザインが、食卓を華やかに彩ります。またハンドル部分は丸みがあって握りやすく、軽量化されているので女性にオススメ。シリーズで集めたくなる多彩なラインナップで、キッチンに立つたび気分が上がるはずです。