食と音楽とアートの祭典
リボーンアート・フェスティバル開催
ランドスケープや食から感じる「いのちのてざわり」
大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭など、地方で行われる大型のアートプロジェクトが盛り上がりを見せている昨今、夏休みの予定に加えている方も多いのではないだろうか。魅力的なイベントがひしめく中で、宮城県牡鹿半島と、石巻市を中心に行われる「アート」「音楽」「食」を楽しめる祭典「リボーンアート・フェスティバル」は、それぞれのジャンルを自然豊かなロケーションと共に味わうことができるとあって、フーディーズからの注目度も高い。
▲ 千葉県木更津市にて「食」の循環を可視化するプロジェクト[KURKKU FIELDS]をオープン予定の小林武史さん
リボーンアート・フェスティバルは、音楽家の小林武史氏が発起人となりスタートした。2回目の開催となる今回は、7つのエリア毎に一組のキュレーターがテーマを設けて作品をセレクト。『アースダイバー』などの著書で知られる中沢新一氏や、現代美術家の名和晃平氏、ワタリウム美術館の和多利恵津子氏・浩一氏など豪華キュレーター陣がそれぞれに世界観をつくりあげる予定だ。
▲ 石巻駅前エリアを担当する中沢新一氏は、シンガポールの前衛アーティストであるザイ・クーニンなどの作品をキュレーション(写真中央)
本誌連載「日本・発酵醸造・旅」でお馴染みのフォトグラファー・在本彌生さんも参加アーティストのひとり。牡鹿半島にて狩猟や野生食材などを採取する食猟師・小野寺望氏と共に野山に入り、生命の力強さと儚さを追いかけた。今年のフェスティバル全体で「いのちのてざわり」というテーマが掲げられている。鑑賞できる作品や提供される料理などから、自然や生命の力強さ感じるような瞬間も多いだろう。都市型フェスにはない、ランドスケープに紐づいたフェスティバルならではの、心が動かされる瞬間がきっとあるはず。
▲ フランス・パリ生まれのジェローム・ワーグ氏は2016年に日本へと移住し様々な食のプロジェクトを手がける
フードディレクターを務めるのは、神田[the Blind Donkey]の二人。カリフォルニアのオーガニックレストランの先駆けである[シェ・パニース]にて総料理長を務めたジェロームワーグ氏と、目黒[BEARD]のシェフであった原川慎一郎氏である。彼らは石巻・牡鹿半島の食材や自然を巡り、“食が生まれるところ”を探検する参加型イベント「石巻フードアドベンチャー」を開催。出会った食材をレストランで味わうことで、命の循環の中にいることを実感させられるようになっている。
▲ 地域の旬な食材を楽しみながら、ユニークな食体験を味わうことができる(写真は記者発表にて振る舞われた料理)
また会期中常設しているレストラン[Reborn-Art DINING]では、宮城県を拠点に活躍中の料理人が腕を振るう他、ゲストシェフが限定的にキッチンに立つ特別な日も。青山のモダンフレンチレストラン[Florilege]の川手寛康氏や、大皿で薪火料理を提供し、皆でシェアするという贅沢な時間が堪能できる調布[MARUTA]の石松一樹氏が厨房に。また和歌山に店を構え、店裏の畑では100種以上の野菜を育て、独創的な料理を振る舞う[Villa AiDA]の小林寛司氏など、名実通り日本全国で目が離せないシェフたちが登場。
リボーンアート・フェスティバルの開催期日は、8月3日から9月29日まで。祭りの始まりを告げるオープニングライブ「転がる、詩」には、櫻井和寿氏や宮本浩次氏、Salyu氏など錚々たるメンバーが集結。また終盤9月22日と23日に予定されている、コムアイ氏や満島真之介氏などが登場するオペラ「四次元の賢治 -完結編-」も、会期中の見どころのひとつ。たくさんのアーティスト・クリエイターが参加しこの夏盛り上がることないのリボーンアート・フェスティバル。追加アーティストなどの最新情報は随時オフィシャルサイトにて更新されるので、ぜひチェックしてみてほしい。
会期 : 2019年8月3日 ( 土 ) ~9月29日 ( 日 ) <58日間>
会場: 牡鹿半島、網地島、石巻市街地、松島湾 (石巻市、塩竈市、東松島市、松島町、女川町)
※水曜日休祭予定<8月14日 ( 水 ) およびイベント開催日は除く。詳細は後日発表> ※網地島エリアは8月20日 ( 火 ) より開催
HP : https://www.reborn-art-fes.jp
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