RiCE11号『スパイスカレーの深層』発売記念イベント
二子玉川 蔦屋家電にて「カレーRiCEの学校」開講
8月10日、AIR SPICE代表・水野仁輔さんが主宰する「カレーの学校」とRiCEのコラボレーションイベント「カレーRiCEの学校」が二子玉川 蔦屋家電にて開催された。大盛況で幕を下ろしたイベントの様子をご紹介する。
▲ 当日は満員御礼。たくさんのお客様にご来場いただき、当初の予定から座席数を増やす盛況ぶり
カレーの学校とは水野仁輔さんが校長を務め、カレーにまつわる様々な授業を行う学校のこと。座学を中心にしつつも参加型のワークショップや調理デモンストレーションも行い、また各々が関心の高いテーマを持ち寄り「ゼミ」としてカレーに対する考察を深めるなど、魅力的なコンテンツで溢れる大人気のプロジェクトだ。今回はカレーの学校とのコラボレーションということで、RiCE最新号の第一特集・第二特集を、学校の講義二時限分に見立て、それぞれのテーマを象徴するトークイベントを開催した。 開講5分前、お客さんも集まり始めたタイミングで、水野さんと東京カリ~番長リーダーの伊東盛さんが登場。普段カレーの学校においても、講義が始まる前からトークを行うそうで、「カレーRiCEの学校」でもそのスタイルを踏襲。
▲ 息ぴったりのトークを繰り広げた二人
場の空気もあたたかくなったところで、一限目「スパイスカレーの深層」と題した水野さんと編集長稲田の対談がスタート。本誌には盛り込むことができなかったエピソードも交えながら特集を振り返った。スパイスカレーの「深層」だけに、ディープな部分を語る展開となり、本誌でも取り上げたインドの話題へ。 日本のスパイスカレーの興隆を語るのに、やはりインドは欠かすことができない。それには日本で活躍するインド人シェフの影響が大きく、例えば本誌でも取り上げた経堂[ガラムマサラ]であれば「納豆カレー」のような現地にはないカレーを高い完成度で提供している。日本で独自のカレー文化を醸成しているインド人シェフの存在に加え、お店を営業しながら、インドへと赴くカレー店の日本人シェフが増えていることにも言及。このようにインドへと向かう店もパターンとしては2つあり、現地で食べたものをそのまま再現することを大事にしているシェフもいれば、インプットしたものを独自の解釈でアレンジ、提供しているシェフもいる。様々なスタイルのインド料理店の混合が、日本全体のカレーレベルを押し上げている、と分析した二人。 本誌に掲載されている『深層レシピ』コーナーでは、所沢のスパイスカレー店[negombo33]店主の山田孝二さんに、定番メニューであるポークビンダルーを教えていただいた。今回のイベントでは、「実際に再現してみたら、どのようなカレーが出来上がるのか?」その検証も兼ねて、会場内キッチンスペースにてデモンストレーションが行われた。
▲ 色だけでなく香りもチェックしながら、玉ねぎの炒め具合を確認する山田さんと[ジ・インドジンズ]の青木さん
デモンストレーションを行うのは、ガールズカレーグループ[ジ・インドジンズ]の青木あやさん。本誌に掲載した「ポークビンダルー」のレシピを見ながら調理を開始。そしてイベントには店主の山田さんにも駆けつけていただき、玉ねぎの色合いから香りまで、細かいポイントを直接解説してもらうスペシャルな時間となった。
▲ 来場者全員が鍋の様子をチェックできるように、要所要所で鍋を持って会場内を周る青木さん。参加者も興味津々で、スマートフォンを取り出す人が多数
今回作ったポークビンダルーはインド西部・ゴア生まれの料理と言われているが、山田さん自身は現地の再現をしているというよりも、試行錯誤の上で一番美味しいと感じるポークビンダルーのレシピを開発、お店で提供しているという。それに対し「店主の表現したいことがダイレクトに現れるのがスパイスカレー」と水野さんもコメント。
▲ プロの料理人からカレーを作るコツを教えていただける貴重な機会とあって、真剣に話を聞くゲストの姿が印象的だった
二時限目には「前説」にて登場いただいた伊東盛さん、そしてギタリストであり、カレープレーヤーの田中義人さんへとバトンタッチし、「カレープレーヤーとして生きるには」というテーマでトークセッションをスタート。
▲ お揃いの[TOKYO SPICE CURRY]ロゴがプリントされたTシャツはアメリカのロックバンド、チープ・トリックの象徴的なフォントを模している。カルチャーとの繋がりが深いのもカレーという料理ならでは
週に一度だけ間借りカレー店[TOKYO SPICE CURRY]を営業している伊藤盛さんとSpiceDubというアカウントで、作ったスパイスカレーを日々インスタグラムへポストしている田中義人さん。別の仕事もありながら、「カレープレーヤー」としての活動を始めた経緯から、初めての大量調理の思い出など「カレープレーヤー談義」に花が咲いた。
▲ カレーの学校卒業生による「草ゼミ」ブースでは、「フェヌグリーク」「スペアミント」「レッドチリ」など、たくさんのフレッシュスパイスが。葉の部分を切ったり、葉を揉んだりすることで香りを楽しめる
芳しいスパイスの香りで会場も満たされた頃に、ポークビンダルーも完成、参加者は試食を行った。また、RiCEの表紙を模した特製パネルが会場内に設置され、表紙の一部となり撮影をする人も。 また、この日のドレスコードは、「カレーTシャツ」であり、とっておきの一枚を着て撮影を楽しむ人も見受けられた。カレーTシャツを持っていない人のためにと、過去に製作したカレーTシャツを水野さんが持参、会場内にディスプレイ。 プロのカレー料理人からカレープレーヤーと呼ばれる人まで、本誌同様「スパイスカレー」を切り口に様々な人が集結し、その深層へと迫った一日となった。多様なスパイスカレーの楽しみ方を提案している『RiCE』最新号は、全国の書店・amazonにて発売中、ぜひ手に取ってみてほしい。
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