イベントで垣間見えた、「サステナブルでおいしい」食の未来

「エシカルフード・カタログ Supported by Johnnie Walker」に気鋭のシェフが集合


PromotionPromotion  / Aug 31, 2022

8月13日(土)- 14日(日)、渋谷[JINNAN HOUSE]にて、RiCE主催のイベント「エシカルフード・カタログ Supported by Johnnie Walker」が開催されました! 世界NO.1*スコッチウイスキーブランド「ジョニーウォーカー」のサポートの元、2020年代のフードシーンを牽引していく気鋭のシェフとバーテンダーたちが、「エシカル」を合言葉に集結しました。

*世界No.1:IMPACT DATABANK 2021に基づく販売数量

フードカルチャーのキーパーソンたちが考える「エシカルフード」と、「ジョニーウォーカー」を使った、“サステナブルを目指したカクテル”のペアリングが楽しめる貴重な機会。20 – 30代のユース層を中心に、食への感度が高いフーディーが詰めかけました。

出店者それぞれの料理やドリンクは、どれも“食の世界で数年後、スタンダードになっていてほしい”、そう願わずにはいられないものでした。見方によっては、より良い食の未来に繋がるヒントが示されたともいえる二日間。そんなイベントの模様を、RiCE.pressにて徹底的にレポートします!

人気店がくりだす料理と
サステナブルを目指したカクテルの自由なペアリング。

会場でもひときわ注目を集めていたのが、ローカルに根差しつつ、自家製パンや唯一無二の存在感を放ち、練馬のデスティネーション・スポットになりつつある[コンビニエンスストア髙橋]。

この日提供したのは、普段デリプレートとして人気のファラフェルを、ピタパンでサンドした「ファラフェルピタサンド」。ひよこ豆や香辛料などを練り上げて揚げた「ファラフェル」は、プラントベースとは思えないリッチな味わい。お好みでヨーグルトソースなど、ノンベジが選択できることも、嬉しいポイントでした。

この「ファラフェルピタサンド」と合わせたいカクテルは、「ジョニー ブラッディメアリー」。魚の骨とベジブロスを抽出することで完成した、ガスパチョを思わせる夏らしい一杯です。

ジョニー ブラッディメアリーと、ファラフェルピタサンド
鯛骨から抽出した出汁と、ベジブロスをそれぞれジョニーウォーカーに漬け込んだのが、カクテルの味の要。まるでガスパチョのような一杯を、ファラフェルピタサンドと一緒に。

カクテルはダシ感も強く料理のようなアプローチで開発されたゆえ、一緒に食べればソースのように機能。フレッシュなハーブがどっさり、複雑な味わいが魅力的なファラフェルピタサンドでしたが、その味わいをより一層華やかにするペアリングでした。

会場内の出店者ボードは、廃棄予定の木材に特色でプリントしたエシカルなものを。「今後イベント出店のたびに使いたい!」と、ここから新しい循環がうまれていきそうな気配。

また広島県尾道市瀬戸田町の“薪中華”[MINATOYA]鬼崎翔大シェフが提供した「レモンポークのBAO」は、会場内で一番に売り切れるほどの盛況ぶりでした。

せいろで蒸したふわふわの生地にサンドするのは、瀬戸内海「いわぎ島」で、規格外のレモンを飼料に育った「レモンポーク」です。こちらにはぜひ、「ジョニー プラムハイボール」を。

レモンポークのBAOと、ジョニー プラムハイボール
レモンポークのほとばしる美味しさを補強するのは、市場に流通せず廃棄されてしまうことの多いフレッシュなコリアンダーシード(パクチーの種)。青空の下でBAOを頬張りつつ、夏にぴったりなサステナブル・カクテルとのペアリングも楽しめます。

通常廃棄されてしまうスモモの「種」の部分まで使用することで、杏仁のような香りを生かした仕上げに。どこかアジア的な雰囲気を醸す一杯です。あわせるBAOは、ここ数年ロンドンのストリートフードとして流行中。とはいえ発祥は中華圏とあって、どこかアジアのニュアンスが根底に通じているのか、これまた非常に好相性です。

さらに、これからのフードカルチャーの一翼を担うアメリカンスタイル・ベイクショップ[ovgo Baker]も、今回のイベント限定メニューを引っ提げて会場入り!

アルコールドリンクとの相性が抜群だったのは、同ベーカリーの代表、溝渕由樹さん自らが栽培・採取したハーブやスパイスを使用した、華やかな香りのスコッキー(スコーンとクッキーのハイブリッド)。

焼き菓子といえば、卵や牛乳を使うのが通例ですが、[ovgo Baker]は、そんな常識を軽やかに乗り越えた完全ヴィーガン仕様で、驚きの美味しさと満足感を実現させているんです。

「カルダモンパクチースコッキー」(左)「ブラックペッパータイムスコッキー」(右)
どちらもスパイシーかつ、華やかな香りが特徴的な焼き菓子。スイーツとカクテルをあわせるのも、なかなか粋です。

ハーブを上手に効かせた大人の味わいのスイーツは、そのまま食べても絶品ですが、カクテルとの相性も抜群。ヴィーガンではないものの、「ジョニー ポークオイル ネグローニ」との相性が、特に際立っていました。

規格外レモンを食べて育った「レモンポーク」の脂を使用した、苦味と酸味のバランスが絶妙な大人のカクテル。今回のカクテルの中では一番玄人向けですが、その苦味とクッキーの持っている自然な甘さ、絶妙な塩加減とハーバルなニュアンスがベストマッチ。

ご紹介した組み合わせはあくまで一部ですが、この日しか楽しむことのできないフードとドリンクのペアリングはかなり衝撃的だったよう。思わず唸るような表情を浮かべる人も多数。来場者同士、それぞれの組み合わせについて感想を言い合ったり、自由に楽しんでいる姿が印象的でした。

これらの「サステナブルを目指したカクテル」を開発したのは、[櫻井焙茶研究所]や[フロリレージュ]を経たフリーランスのバーテンダー・大場文武さん。新店舗の準備で多忙な日々をおくるなかで、イベント中もフルコミットいただきました。

京都からは要注目のLURRA°が登場。

京都[LURRA°]の出店もイベントを盛り上げました。2019年夏にオープン後、瞬く間にミシュラン一つ星を獲得。歴史ある京都の食シーンを塗り替えていく存在、そんな風に言っても過言ではない彼らがこの日のために提供したのは、最高気温36度まで達した会場をクールダウンさせるような、ひんやりとした冷製スープです。

 

夏野菜のガスパチョ スイカ・紫蘇オイル 
夏の身体に染みわたる冷たいスープ。ガスパチョは野菜のほぼ全ての部分を使うことができる、ロスになる部分がほとんどない料理。季節の野菜をそのまま使うので、環境に対して無理がないのもいいところ。スイカや紫蘇オイルで仕上げて、今回だけの特別な味わいに。

透明なガスパチョというのがユニーク。これは複数の野菜のヘタや皮の部分まで抽出したスープを一度冷凍。その後フィルターで濾すことで、エキスや味わいは残しつつ、色素を取り除いたというから驚きです。

透明なスープの表面に浮いているのは、オリジナルの紫蘇オイル。一口、二口と飲み進めるごとにスープとオイルが混ぜあわさり、味わいが段階的に変化。屋外でのイベントで提供されるスープとは思えぬ、クリエイティブな食体験に昇華していました。

ジャンクなイメージのある麺類も、ヴィーガンで。

また「サステナブルを目指したカクテル」を楽しんだ後、そのシメとしても好評だったのが写真家・嶌村吉祥丸氏がプロデュースする[ラーメン吉祥丸]による、この日限定の「あえそば」です。

ラーメン吉祥丸 あえそば
ヴィーガンラーメンで知られる普段の[ラーメン吉祥丸]の美味しさは残しながら、あえそばスタイルにアレンジ。麺、スープ、トッピングまで、完全に植物性の一杯にこだわりました。「冷やしお茶漬けだれ」と一緒に啜れば、サッパリと新感覚なラーメンでした。

タレは醤油ベースながら、特製のお茶オイルやメープルシロップを組み合わせることで、ヴィーガンとは思えぬ満足感を実現。

とはいえ、お肉だって楽しみたい人へ。

エシカルな食のスタイルのひとつとしてヴィーガンが欧米を中心に支持されていますが、肉食だってエシカルな選択肢はある! そんなふうに背中を押してくれたのは、再開発エリアとして新店が続々オープン中の日本橋兜町に、2020年夏開業、一躍人気店の仲間入りを果たした[Neki]の西恭平シェフです。

西さんがこの日作ったのは「米沢郷鶏」をメインに据えたチキンカレー。「米沢郷鶏」は、人が基本的人権を持つのと同じように、畜産に供される動物も最低限の福祉を得るべきだという考え方のもと、ヘルシーな生育環境でストレスなく育てられているものです。

また普段のレストラン営業時では滅多にお目にかかれない、「カレー」という意外な提案も、行列が絶えない理由でした。

米沢郷鶏のココナッツチキンカレー レモンクミンライス
Neki西シェフによるカレー。「鶏革命団」による、養鶏引退後の鶏を使用した鶏ガラスープも加えることで味に深みを。爽やかな酸味が心地良い、レモンクミンライスと一緒にどうぞ。

自分へご褒美のようなスイーツは
エシカルなものを選んで、地球にも優しく。

活動10年を経て昨年春に横浜に[Micotoya House]をオープンした彼らですが、廃棄野菜やお酒の搾りかすなどを素材としたクラフトアイスクリーム [KIKI NATURAL ICECREAM]が美味しいと評判です。今回のイベントにはアウトドアブランド、「パタゴニア」の食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」とコラボレーションした、特別なフレーバーを持ってきていただきました。

賞味期限が迫ったドライマンゴー「ROチリマンゴー」をレスキューしてアイスクリームにするという、ピースでエシカルなプロジェクトです。

ジューシーで豊かな風味があるドライマンゴーに、ライム果汁や赤唐辛子を加えたこの商品。アイスとして生まれ変わっても果肉の味わいは生きていて、これまた絶品! すこしピリッとしたニュアンスは、お酒との相性だって良い。

出店した店舗は以上のとおり。期せずしてどのお店も、ここ2-3年でオープンした新店です。コロナ禍という、飲食店が最も苦境に立たされたビハインドの状況にあって、倒れることなく、しぶとく生き残った“強さ”のあるお店です。

今後も変化が予想されるフードシーンですが、軸はぶらさずも、柔軟に対応していくことで、「おいしさを届け続けていく」そんな気概が感じられるフードがラインナップしていました。

こうした出店者に呼応するように、来場者の中には、「新たに飲食のブランドを立ち上げる準備をしている」人なども! その道の先人である出店者たちと「エシカル」というテーマで意見を交わす場面も見受けられ、単なるフードイベントに止まらない、意義深い時間になりました。

トークイベントに、野菜染めまで。
マルシェ以外にも充実のコンテンツ。

飲食店の出店に負けず劣らず、事前申込制でイベントも開催しました。「サステナブルな食の未来」というテーマで行われたトークイベントには、塩塚モエカさん(羊文学)、按田優子さん(按田餃子)、宮下拓己さん(LURRA°)の3名が登場。このトークの模様は後日RiCE.pressで掲載予定ですので、そちらもお楽しみに!

また大阪発の染め物集団「WUY」による、野菜の廃棄となってしまう部分(タマネギの皮、アボカドの種など)を染料として、古着などを染め直すワークショップも大人気でした。

会場内の装飾も「エシカル」というテーマに相応しいものでした。ギャラリースペースに飾られたジョニーウォーカーのアイコンである「ストライディングマン」をかたどったオブジェは、廃材となる木材から製作されました。形状や厚みも異なりますが、それらが集まることで一つの美しいものができあがる。そんなメッセージも込められています。

夜には行燈が設置され、会場を明るく照らします。こちらの表面に貼られているのは、ジョニーウォーカーが過去にイベントで使用した「のぼり」を再利用したもの。エシカルな心配りが、細部まで宿ります。

また会場の至る所にはロスフラワー(廃棄予定の花)が用いられました。

茎が曲がっているという理由で廃棄になってしまうものもありますが、今回はその曲線をあえて目立たせることで、“植物本来の形こそが美しい”というメッセージが表現されています。

エシカルと、おいしさは共存できる?

イベントを制作する前には、「エシカル」に対して、「おいしさ」や「楽しさ」のような感覚が共存できるのか?という不安があったのも事実です。しかし出店者やイベントに携わる多くのクリエイターたちが出した返答は、それらをどれも鮮やかに裏切るものでした。

むしろ制限が加わることで、そのなかで何ができるか楽しもうとする。そんなクリエイティブの発露が、豊かなフードカルチャーへと繋がっていく。それが実証されたような二日間でした。今後のエシカルフードに関する展開も、ご期待ください!

またジョニウォーカーのサステナブルにまつわる取り組みについてはこちらをチェック!

Photo by Naoki Usuda
Text by Shunpei Narita

*記事内使用写真ですが、写真撮影時のみ、マスクを外してもらいました。

 

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