齊藤輝彦(アヒルストア)に教わる、瞬間タイ・トリップ!

自宅で手軽にタイ料理なんて、素敵じゃないか。with ヤマモリ


PromotionPromotion  / Aug 31, 2023


東京のワインシーンを牽引する富ヶ谷[アヒルストア]では、意外にもタイハーブを使った料理がオンメニューしている。聞けばオーナーの齊藤輝彦さんは、幾度となくチェンマイを訪れている筋金入りのタイラバーだった。

RiCEタイカレー特集(2023年9月号)では、特別企画として齊藤さんのご自宅へお邪魔させてもらい「家で瞬時にタイを感じるならこれ!」という画期的なアイデアを教えてもらった。WEB版では、齊藤さんのタイ渡航の思い出と共にお届けする。

齊藤輝彦
設計事務所、弁当屋台[スター食堂]運営、ワインショップ[トロワザムール]勤務などを経て、2008年に[アヒルストア]をオープン。現在[渋谷のラジオ]のレギュラー番組「1AM」に出演中。
Instagram:@
ahiruani

今年は既に2度もチェンマイへ。

今年のお正月もゆっくりチェンマイで過ごしたという齊藤さん。直近8月も息子さんと2人で再訪したようで、当に根っからのタイ好きだ。父と息子の男二人旅、まるでロードムービー的な情景が浮かぶが、“特別洒落たことはしないよ…”という感じで、タイ渡航時の流儀を教えてくれた。

「日本から箱ワインを持参して、ホテルを出るときにペットボトルへ移し替えます。現地の食堂では、“コーラ飲んでる”みたいな顔をしてワインを飲んでる(笑)。辛いタイ料理に、ビネガーっぽい風味のナチュラルな赤ワインがバッチリ合うんです」

現地での一枚。「チェンマイには必ず箱ワイン(3リットル入りのバックインボックス)を数種類持っていきます。ホテルで水のペットボトルに詰め替えて食堂へ」
とはいえワインは食堂だけでなく、ホテルの中でもしっかり楽しんでいる様子。「旬のマンゴスチンとロゼ。最近フルーツを食べながらワインを飲むことにハマっています。チェンマイはフルーツの宝庫、安価なワインであっても劇的に味わいが変化するのが楽しい」

そんなタイ愛溢れる齊藤さんだが、普段は日本で人気店を切り盛りする身である。年がら年中タイに行けるわけではない。ではタイを感じたくなる瞬間にどうするか? そこで大活躍するのが、[ヤマモリ]のタイフードシリーズだ。

「長年ファンです。そのまま食べてもいいし、ベースがいいので、アレンジしても絶対にスベらない安心感があります」

[ヤマモリ]のグリーンカレーとカオソーイ。タイ現地に工場を構え、本格的なレトルト・調理キットを多数展開。全国のスーパーマーケット、オンラインなどで販売中。

タイ好きな齊藤さんお墨付きの[ヤマモリ]のタイフード…。
これはかなりの実力に違いない! 今回は愛用しているという「カオソーイ」と「グリーンカレー」、それぞれ齊藤流のアレンジレシピを指南いただいた。

調理に入るその前に。こちらはグリーンカレー(写真右)とカオソーイ(写真左)の設計図。「何を入れなきゃいけないか、忘れちゃうので…」齊藤画伯のセンスがきらりと光る。使い込んだ赤い色鉛筆もとびきりキュートです。

齊藤流グリーンカレーのつくりかた。

そのまま湯煎するだけでも完成するグリーンカレーだが、まずはソースの封を開け、鍋で加熱するところから。ここで齊藤さん、パクチーの根っこを刻んだものを投入!

「パクチーの根っこを刻んで入れることで、本場のカレーさながら、クロック(タイ料理には欠かせない、ハーブをペースト状にするための石臼)で潰したような雰囲気になる。フレッシュなハーブの香りを増強できます」

ソースを加熱したら、多めの水を追加する。強めの火力でさっと煮込めば、あっという間に齊藤さん好みという“シャバシャバ系”カレーの出来上がり。

[ヤマモリ]のグリーンカレーは、タイの丸茄子も入った本格派。仕上げに揚げた鯖をのせ、たっぷりのバジルとフライドオニオンを散らす。「今回はカオニャオ(餅米)を添えました。ご飯と合わせるだけでなく、素麺の漬けダレにもすごくいいと思います」

今回トッピングには揚げたサバを使用した。既に具材として鶏肉が入っているカレーの中に、魚を追加する…。一見禁じ手に思うが、「タイカレーってサラッとしたハーブスープみたいな感じだから。何を入れても良い、懐の深さがある。マイペンライ(タイ語で大丈夫の意)精神ですかね」

湯煎するだけで完成するグリーンカレー、即座にご飯にかけたくなるが、「ルー単体を肴に、ワインを飲むのも最高」と裏技(?)までも教えてくれた。確かに暑い夏、キリッと冷えたワインと楽しむのも良さそうだ。

「もともとカレーのルーだけで、お酒を飲むのがすごく好きです。下町の酒場のメニューに“カルー”ってのがあって。カレーのルーだけだから、“カルー”。お米はないけれど、日本酒と合わせれば、原料的にはぎりぎりカレーライスかな。悪い大人になりました」

北タイのカレーラーメン、カオソーイはこんなふうに。

タイ北部で親しまれるカレーラーメン「カオソーイ」も、ヤマモリの「カオソーイの素」があれば瞬時に作ることができる。

まずはカオソーイの素に、水と牛乳を足して好みのテクスチャーに仕上げたら、ひと口大にカットした鯖とピーマンを入れて加熱する。

鯖に火が通れば、別鍋で茹でた麺と合わせるだけ。「現地では幅広の中華麺を使うことが多いですね。本来カオソーイにはトッピングの揚げ麺がかかせないのですが、まぁ無くても美味しく食べられます(笑)。ライムかレモンはあったほうがいいかな」

 器に盛り付け、パクチーをどっさり乗せれば完成。赤玉ねぎ、ライム、高菜の3点セットを小皿に盛るのもお忘れなく。
スパイスが効いたカレーに、ココナッツミルクが加わった濃厚なスープ。薬味や調理のひと工夫で、夏にぴったり。爽やかな味わいに様変わりする。「現地では味変して食べるのがスタンダードです」ライムをぎゅっとひと絞りしてどうぞ!

最近朝食は自宅でのラーメンが多い、という齊藤さん。ヤマモリのカオソーイも、日々のローテーションに加わっているよう。

「ここ数年、朝ごはんをちゃんと食べることを大事にしています。野菜やタンパク質をたくさん摂りたい時に、味が既に決まっているスープがあるのはかなり便利で。タイの気分も感じられますし(笑)。今回は鯖を一緒に煮ましたが、茹でた麺の上に魚の刺身を載せて、あつあつのカオソーイの素を注ぐ。そうして半生のものをかき込んだりするのも、贅沢な食べ方でいいかもしれません」

ただ複製するのではない。スピリットを受け継ぐ料理を。

アレンジからもタイ愛がびしびしと伝わってきたが、幾度となくタイを旅する理由はどこにあるのだろう。齊藤さん、一体タイのどんなところに惹かれているのか?

「なんと言ってもフリーダム感ですね、身を置くことの多幸感が半端ない。ご飯も本当に美味しいし、毎回同じものを食べても飽きません。あとタイって“微笑みの国”と言われるような明るい印象がありますが、僕が好きなチェンマイという街はちょっと逆というか、陰のニュアンスがあって。それは料理や食材にも共通しているところです」

「もともと食材を“陽キャ”か“陰キャ”かで捉えているところがあって。すこし前の話になりますが、[アヒル]で、チェンマイ料理をメニューで出したいなと思った時に、タイバジルとかコブミカンの葉をバサバサ入れてたんです。でもイメージした感じにならない、むしろ遠ざかっている感じすらして。これはよく考えたら、タイバジルとかコブミカンの葉は、僕にとっては“陽キャ”だったんですよ」

「前回のチェンマイ旅で、“パックペーオ”というハーブの存在を知りました。これはヨモギとか、ドクダミみたいなハーブで。どことなく暗くて奥ゆかしい。これは確実に“陰キャ”です。これを魚のラープとかに入れると、一気にチェンマイになる。陽キャのハーブだと、「ウェイ!」みたいな感じになるところが、どことなく文化系の香りがしてくるというか。急に“映画とか詳しそうだな”という雰囲気になってくる。あぁコレコレ、求めていた感じ!って」

直近のチェンマイ旅でお気に入りの食卓がこちら。「牛の血入り生ラープ、ジャックフルーツの和え物、ムーヤーン等。ハーブ&スパイスづかいが実に複雑。これこそ奥ゆかしい“陰”の味わい」

「そんなパックペーオに近しいハーブはないか?と思ってスーパーの棚を物色してたら、見つけたのがエゴマの葉。香りこそ違いますが、陰のニュアンスは近しいものがある。最近は積極的に使っていますね。タイ料理=現地のもの使わねばならない、そんなイメージもありますが、“現地のものじゃないと作れない”と決めつけるのは面白くない。実際手に入りづらいものも多いからこそ、僕はスピリットの部分を大事にしたくて。いいなと思うタイ料理の空気感や精神性を尊重した料理を作りたい」

「その先に、タイ料理がもっと気軽なものだって思う人が増えたらいいですよね。何せ純粋にタイが好きなので(笑)、盛り上がってくれたら嬉しいです。もちろん[アヒル]でタイのニュアンスが加わった料理を食べてもらえるのもいいし、自宅でタイ料理を作ってみるのもぜひ。その時に[ヤマモリ]のシリーズは、すごく頼もしいはず」

一瞬にしてハーブがぶわっと香り、鮮やかなタイの時間が訪れる[ヤマモリ]のタイフード。自宅に常備しておけば、とびきりグッド・ヴァイブレーションな時間が過ごせそうな予感だ。

こちらの記事は雑誌RiCE2023年9月号「タイカレーの真実」特集掲載内容を再編集しています。
ヤマモリ
https://www.yamamori-thaifood.jp
Instagram @yamamorithai_official
Photo by Yoichi Nagano
Edit & Text by Shunpei Narita
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