誰でも自宅でスペシャルなコーヒータイムを
[堀口珈琲]が満を持して発売したドリップバッグが流石の味
カフェでバリスタに淹れてもらうようなおいしいコーヒーを、自宅でも手軽に飲みたい!
そんな希望を叶える、スペシャルティコーヒーを使った「ドリップバッグ」「コーヒーバッグ」「リキッドコーヒー」の3種が、[堀口珈琲]から2024年3月に発売された。
[堀口珈琲]は1990年、世田谷区に創業したスペシャルティコーヒー専門店。喫茶、小売りのみならず、国内120店以上のコーヒー店に生豆の卸売りを行う。生産地と連携して生豆の品質を管理し、日本のスペシャルティコーヒー界を牽引してきた。そんな[堀口珈琲]が、なぜ今ドリップバッグを新発売したのか? 試飲会で体験してきた。
新発表のドリップバッグに加えて、既存のコーヒーバッグとリキッドコーヒーも、約1年半をかけてリニューアル。これらは自宅での需要が高まったこの数年で支持を広げてきたわけだが、2019年には[堀口珈琲]の焙煎工場「横浜ロースタリー」が稼働開始、焙煎やブレンドの技術がレベルアップしたことも今回のアップデートを後押ししたという。
カジュアルラインといえど品質に妥協はない。ドリップバッグのために安価な生豆を仕入れるのではなく、カフェや生豆販売と同様のスペシャルティコーヒーを使用。扱っている100種類以上の生豆からコンセプトに合う豆を選び、粉の引き目を調整した。
ドリップバッグには多彩な味わいの3種「ELEGANT」、「MILD」、「BITTERSWEET」と、カフェインレスの「DECAF」がラインナップ。
パッケージにはコーヒーの雫のイメージが描かれている
「ELEGANT」はフルーティな香りが華やかに広がる。味わいは軽やかで、苦みは控えめ。
「MILD」は最もバランスがよく、ほのかな苦みとコクに、甘い余韻が広がる。
「BITTERSWEET」はしっかりとした苦みの中にも甘みがあり、コクや厚みが魅力。ミルクとの相性も抜群。
「この3種は、それぞれ明確な持ち味があるので、新しくブレンドを開発するときのベースにもなるはずです。今後、例えば“BITTERSWEET”にフルーティーさを加えるといったようにして、さらに多様性を出すことも考えています」と[堀口珈琲]の代表・若林恭史さんは話した。
さらに、カフェインレスの「DECAF」は、デカフェのイメージを覆すようなおいしさ。焙煎度合いは中深煎りなので、好みによってあっさり、しっかり、淹れ分けることができる。
ドリップバッグの最大の特徴は、使用するコーヒー粉の分量。8~12gが一般的な分量のところ、[堀口珈琲]では15g使用している。濃厚な味わいで、豆の個性を堪能できる。
こだわったのは、雑味のない「クリアな味わい」。ポケット部分が浅く、きめの細かい紙製の「VFR型」フィルターはそのための最適解。
おいしく淹れるポイントは、湯量と抽出時間。しっかりと濃い味わいにしたいときには、一度に注ぐお湯の量を少なめに抽出時間は長く、あっさり飲みたいときにはさっと短く淹れる、という直感的な調整がおすすめとのこと。
一方、こちらがリニューアルしたコーヒーバッグ。カップに湯を注ぎ、その中にコーヒーバッグを浸すだけという、紅茶のティーバッグ方式の商品。その特徴はなんといっても豊かな香りとスッキリした味わい。ドリップバッグが新たに開発されたのには、適材適所の考え方があって、つまり、コーヒーバッグはすっきりと華やかな香り系のコーヒーに向いていて、ドリップバッグはしっかり濃厚なコーヒーに向いていること。それぞれの個性を最大限楽しんでもらうための新商品&リニューアルというわけだ。
ティーバッグと同様の形状で、使い方はいたってシンプルだ。コーヒーバッグをカップに入れ、お湯を注ぐ。湯の中でコーヒーバッグを上下させ、1分半程度待てば出来上がりだ
コーヒーバッグアソートメントには「-YELLOW –華やかな香り–」「VIOLET –芳醇な香り–」の2種類。前者はマンゴーやレモンなどの黄色い果実を思わせるような華やかな香り。爽やかな酸と、上品な甘みが広がる。後者は赤い果実を思わせる芳醇な甘い香り。後味に豊かな果実感が感じられる。
また、リキッドコーヒーも要注目。牛乳パック型のパッケージにレディトゥドリンク(RTD)のコーヒーが入った商品だが、驚くほどに香り豊か。
バランスの優れた飲みごこちの「CLASSIC」、重厚感のある苦みと濃密な甘みの「DARK」の2種がリニューアル、さらに「AROMATIC」、カフェインレスの「DECAF」が新たに加わった。
「AROMATIC」はその名の通り豊かな香りが広がる。赤色や紫色の熟した果実のニュアンスやベリー系の甘みが豊かに感じられる。「DECAF」は程よい苦みとコクの中にほんのり華やかな香りが感じられるカフェインレスアイスコーヒー。妊娠中や、就寝前など様々なシーンにおすすめだ。限定販売されている10月までにぜひ試してみてほしい。
ここまで新商品についてご紹介したが、改めて若林さんに[堀口珈琲]の味わいに対する考えを伺った。
代表取締役社長の若林恭史さん
「まずはクリーンな味わいを目指しています。生産や、焙煎工程でなるべくネガティブな要素は排除することで、風土の違いによる生豆の風味の違いが表現されます」
そのために、農園とは長期的なパートナーとして付き合い、木の育て方から、精製方法まで意見交換をしている。また、輸送の温度管理に注意したり、焙煎工場では手作業と機械の両方で欠点豆を取り除いたりと、様々な工夫を行う。
そこまで品質管理を徹底したスペシャルティコーヒーで、シングルオリジンとしてではなくブレンドコーヒーを作るのはなぜだろうか。
「シングルオリジンももちろんおいしいですよ。私は2020年に社長に就任したのですが、就任後一時期シングルオリジンのみ販売した時期もあったほどです。ただ、個性的かつ高品質なシングルオリジンをブレンドすることで、さらに複雑な香りや味わいが作りだせるんです。先鋭化されたものが掛け合わさることによる、おいしさの中にある複雑さは、ロースターだからこそ生み出せる味わいです」
その言葉通り、[堀口珈琲]のスペシャルティブレンドコーヒーにはひとことでは言い尽くせない奥深さがある。柑橘、花、果実、ワイン、チョコレート、スピリッツなどに例えられるような様々な風味が複雑に絡み合う。
こだわりがつまった[堀口珈琲]のコーヒーを器具を使わずとも楽しめる。ぜひ、ご家庭でお試しあれ。
▶ご紹介した商品はオンラインストアと店頭でチェック
オンラインストア https://kohikobo.com/html/page176.html[堀口珈琲](世田谷店、上原店、Otemachi One店、狛江店)(https://www.rice.press/drink/18751)
Text by Hinano Ashitani
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