
vegetusのススメ
スーパーフードと呼ぶべき春の「アスパラガス」
やっと暖かい日がやってきました。
春になると待ちに待ったアスパラガスが出回ります。ということで今回のテーマは「春のアスパラガス」です。
まず国産のアスパラガスの旬ていつなの?
国産のアスパラガスは春先からだいたい夏終わり頃までです。一応、冬場もハウス栽培もの等あるのですが、栄養価が全然違います!
たとえば、アスパラガスの穂先部分に含まれるフラボノイド系の「ルチン」。血流改善の特徴を持ち、高血圧や動脈硬化の予防に効果がある栄養素です。春のアスパラガスのルチンは、冬場のハウス栽培ものに比べて7倍もあるのです。
β‐カロテン量も冬場のものに比べて3倍! アミノ酸の一種で腎臓、肝臓の機能促進や疲労回復に効果があり、栄養ドリンクにも含まれている「アスパラギン酸」やビタミンC、カリウム高いなど、栄養価があるスーパーフードなのです。
またアスパラガスは子供から御年配の方まで嫌いな人が少ない皆に喜ばれるお野菜です。
アスパラガスは茹でたりの調理でも他のお野菜に比べそれほど栄養は逃げません。ただ他のお野菜同様、加熱しすぎはビタミン類の減少に繋がります。ですのでアスパラガスは「ぱぱっと!」「さっと!」が美味しく栄養価も逃さない調理ポイントです。
そういえば、アスパラガスってグリーンやホワイトとかあるけど品種違いなの?って聞かれることもあります。グリーン、ホワイト、それは品種の違いではなく栽培方法の違いです。
グリーンは芽が出るままにして日光に当てるので葉緑素が沢山作られ色がつきます。ホワイトは芽が出る春先に土を盛り芽を日に当てずに伸ばした軟白栽培したものなんです。
その為、グリーンはやや青臭さがありますが非常に栄養価が高いのです。逆にホワイトは食感が柔らかく、グリーンに比べてほんのりと甘みが強いのですが日に当たっていない分、グリーンより栄養価は劣ります。
最近では表皮部分にアントシアニン系色素が多く含まれるムラサキアスパラガスも出回ってますね。採れたてでしたら鮮度もいいし色合いを活かしてサラダなどにいいでしょうね。ただ、ムラサキアスパラガスは茹ですぎると色素が流れ出し普通にグリーンアスパラガスになりますので要注意です(笑)。
グリーンアスパラガスを使ったオツマミですが、うちの店では国産のアスパラガスしか使わないので主にフライパンで焼く調理法や網焼きでお出ししています。国産のアスパラガスはフランス産よりも香りが弱いので、茹でる調理にはフランス産の方がいいかもしれないですね。まぁ、味は十分に美味しいのですが……。
さぁ、今日はアスパラガスのソテーを作りましょう♪
材料
・アスパラガス 食べたい本数
・塩 適量
・発酵バターお好みの量で
・ケイパー 5粒くらい(無くてもよい)
・白ワインビネガー 一回し
作り方
①アスパラガスの皮をピーラーで剥きます。特に根元の方はしっかり剥いてください。皮が残っていると食感が悪くなります。根元1cmくらいは硬いのでカットします。(皮や根元は捨てないでね。スープとか作る時にいい出汁が採れますよ)
②フライパンを弱火で熱しバターを加えて溶かします。そこにアスパラガスを入れ加熱していきます。お好みの柔らかさになったらOK。
③いったん火を止めケイパーを落とし白ワインビネガーを一回しします。
④再度火をつけ弱火で熱していきます。バターの色合いがやや茶色気味になったら火を止めお皿に盛り付け上からフライパンに残った焦がしバターソースをかければ出来上がりです。
お好みでマイクロリーフ、マイクロハーブのサラダやエディブルフラワーを飾ってオシャレメニューにも♪
合わせる日本酒は、爽やかな酸と味わいの膨らみから鋭角シャープな切れ味を見せる奈良県御所市の「篠峯 雄町 純米吟醸うすにごり生原酒 山廃仕込み」。アスパラガスの風味をふわっと口の中いっぱいに広げてくれます。
合わせる日本ワインは、ピュアで澄んだ香りと溌剌とした酸とクリーンな果実味のある栃木県足利市の「ココ・ファーム 農民ドライ2023」。
焦がしバターソースの酸とぶつかることでアスパラガス本来の旨味がぎゅぎゅっと強く感じることができます。
合わせるノンアルコールは、徳島県の阿波晩茶。世界でも数少ない後発酵茶の一つ。まるで赤ワインのような酸味、苦味、渋み、奥行きかありバターソースをさらっと流しアスパラガスの風味を口の中で再構築します。
- polyphony owner
竹口 敏樹 / Toshiki Takeguchi
映像カメラマンだった20代の頃、偶然立ち寄った酒場で日本酒のおいしさに開眼。独学で日本酒を学び、居酒屋勤務を経て東京・四谷に[酒徒庵]を開店。2015年に[酒徒庵]を閉店し、会員制の日本酒専門店[鎮守の森]をオープン。2021年には、サービスの朝日萌里さんとともに、自らが厨房に立ちラクト・オボ・ベジタブルのコース料理を提供する[polyphony]をオープン。著書に『もっと好きになる 日本酒選びの教科書』(ナツメ社刊)がある。
IG @polyphony2021
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