一期一食
005. 一期一食の世界へようこそ
2020年、本年もよろしくお願いします。ここまで大きなイベントがたくさんあると、日本にとって様々な節目になるんでしょうね、きっと。僕の4年ぶりの誕生日もあるし、ダブル成人だし。面白いことがたくさんある年になりそうだけど、厄年に入るんだよなぁ。こういう仕事をしていると厄(役)は落とさない方がいいと言われてるんだけど、ビビリの僕は密かに厄難消除にすぐに行ってしまっていました。いつも通り、和敬清寂の精神を忘れずに、毎日丁寧に過ごしていこうかなと。あっという間に厄なんか終わってたーとか言っていたいんだよな。
実際に僕に会ったことがある人からすれば、情けないんだけど「この人、本当に茶道をやっているのかな?」と思われているんだろうと思います、きっと(昔よりはだいぶましになったと思うんだけど)。僕が茶道と出会ったのは20代の前半で、もう随分と長い時間が経ちました。もう僕の人生の一部になっているくらい茶道にかけてきました。というより、かけたい存在にどんどんなっていったんですね。
茶道から生まれている言葉や考え方はとても多く、日常で何気なく使っている言葉も実はたくさんあります。さっき書いた和敬清寂もそうだし、一期一会も茶道の言葉です。
ライヴが続いたり、茶道の難しい稽古ばかりしていると、たまに一人でゆったりお茶をいただきたくなって旅先で飲みに行ったり、
▲ ここは帝塚山の[福壽堂秀信本店]
旅先でも美味しい抹茶が持ち運べるように兄弟子から頂いたものを飲んだりしています。
▲ トレーダー・ジョーズのオーガニック抹茶
僕は本当に一息つきたくなったときは、[とらや本店]に密かに駆け込みます。リニューアルも終わり更にいい空間になっています。
行ったらほとんど、本店限定の羊羹「千里の風」とお薄をいただきます。実は近くにいいサウナもあってそこと一緒に行くことが多くて。
お茶ってモノの「お茶」としての言葉の意味もあるけど、「ちょっと茶でも飲もう」とか、その場や共有する機会を表現できるとても素敵な言葉で、僕は抹茶をきっかけに、煎茶、紅茶、コーヒーや世界のお茶等、人が集う喫茶の世界にどっぷりハマっていくことになるのです。
そして、僕はお茶を通して広がった世界を、旅をしながら「食べる」こともまた節目にすることで、自分を切り替えて行きました。これは一期一会というより一期一食なんじゃないかなと。生きる上で食べることは何よりも大事だし、身体に入れたもので僕は作られているわけだから、稲田さんと話してこの連載のタイトルが決まったのです。
とらや 赤坂店
住所 : 東京都 港区 赤坂 4-9-22
TEL : 03-3408-4121
営業時間 :
[月~金] 8:30~19:00
[土・日・祝] 9:30~18:00
定休日 : 毎月6日
http://www.toraya-group.co.jp/
- Bassist
濱田 織人 / Orito Hamada
ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、NPO法人SOMA副代表理事、アトリエリスタ、茶道家。芸術修士(MFA)。スタジオミュージシャンとして演奏活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと幅広く活動。2017年クリエーティブブティック創業後、活動範囲を音楽以外にも拡大し、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。日本唯一のベースの専門誌ベース・マガジンにて連載経験あり。プライベートでは、裏千家茶道家として初音庵主宰。密かに楽しんでいたサウナの魅力をゆるやかに発信中。サウナ・スパプロフェッショナル。 https://www.instagram.com/oritosroom/
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