feat. Johnnie Walker (前編)
Nulbarich JQ の語る、お酒と音楽の親和性。
変化の時代の中で、歩みを止めないNulbarich(ナルバリッチ)のフロントマンJQ。Vaundy&n-buna(ヨルシカ)とコラボレーションした最新シングルも話題に。12月に予定するオンラインライブに向けて映像作りにも意欲的に取り組んでいる。そこで今回は、200周年を迎えるジョニーウォーカーのテーマ「KEEP WALKING」と呼応して、コラボレーションインタビューが実現。レコードがずらりと並ぶバーでグラス片手に、率直な今の思いから、音楽創作裏までお話いただきました。
― 世界的に生活が一変している今、JQさんの率直な心境は?
高く跳ぶために、屈んでいる時期だと思っています。望まないことが起こってしまいましたが、その反面、自分の思考を深める時間は増えた。大々的な音楽活動が難しくなった分、楽曲制作に没頭したり自分に出来ることを考えたり…次の動きへのアイディアを蓄えている。この危機を契機に、それでも発信していく準備をする人と、世の中から無くなっていくものと、道は真っ二つに分かれる気がしているんです。
― ロサンゼルスに生活拠点を構える中で、自粛生活に戸惑いはありませんか?
2019年の12月、さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを終えたらアメリカに移住することは、もともと決めていたこと。幸か不幸か、自分の転機と、コロナ禍が被りました。なんにせよ変化を志すタイミングでしたから、その点では、世界情勢に順応しなければといけないことも自然と受け止められたんです。
― 一見、ネガティブに捉えてしまいそうな出来事です。ロサンゼルスの滞在で経験したことは?
”Black Lives Matter”を生身で目撃したことは人生に大きく影響していくでしょうね。自分の家の前で車が燃え、銃声が鳴り、繁華街の路面店の窓ガラスが全て割られ、強盗が起き、ヘリの中継が目の前で行われていた。そんな中で彼らのスローガンの一つに「憧れと助けは違う」という言葉があった。これまで楽曲制作の軸としていたブラックミュージックは、ただ、美しく、かっこいいものではないことをまざまざと目にし、ハッとしました。音楽でしか救われることのなかった当事者たちの、嘆き、苦しみ、背景への理解が甘かったことに気付き、物事を考える指針は大きく変わりました。
― パーソナルな変化が起きたことは、今後の音楽活動にどのように影響しますか?
実は、まだその感覚は消化できていないし、今、無理をして飲みこまない方がいいとも思っています。迷いだって感情の片鱗として曲に反映されるものですから。僕に出来ることがあるとすれば、綺麗な言葉にはならない経験こそ、アートに昇華すること。それにもともと、コンセプトを決めたり意図的なアウトプットが出来るタイプではなくて(笑)。今は自分が感じたものをゆっくりと噛み砕いている段階であり、人生の経験はそのまま音楽になるはず。
―言葉通り、今も楽曲制作の手を止めていませんね。
音楽やアートが強い意味を持って必要とされるのは、苦境の時だったりします。3.11でも、あの時に声を上げたアーティストに救われた人は多くいますし、かのボブ・マーリーしかり、歌が人を元気付けなければいけない時世に音楽は発展してきた。何かが起き、メッセージがアートに昇華され、アートも発展する。皮肉なものですが、今、何かが起きているからこそ、僕たちに出来ることはあるはずです。
―実際、最新曲『ASH feat. Vaundy』では、Vaundyとのコラボレーションやヨルシカのn-bunaによるリミックスと、新たな試みで音楽を作っていますね。
今、音楽を作る上で、次のフェーズに進みたい気持ちがありました。さらにアメリカに閉じ込められてしまっていた分、日本とコネクトしようとする意識もあった。そこで想定外の人とのコラボレーションが面白いと思って始動しました。結果として、リリックは新鮮ですし、新しい世代の2人の思い切りの良さも生きているはず。Vaundyくんもヨルシカのn-bunaくんも、全員がワンオペで作れる人なので、3人のプロデューサーが1個のパッケージを作り上げたような不思議な感覚もありますよ。
―楽曲はVaundyとの共同制作ですが、コンポーザー同士だからこそ議論になったことは?
Vaundyくんは気を使って意見を曲げるようなことをしないので、逆に気持ちがいい。最初に僕がある程度ラフトラックを作り、メロディを乗せて欲しいと彼にリクエストすると、トラックごと変えたものが返ってきたりして(笑)。本当に良いものを作ろうとしている人の答えだと感じたので、「なるほどね」と受け止め、そこからまた僕がいい所をピックアップして…と、キャッチボールを続けて出来上がった曲です。
―今日のトークテーマは「KEEP WALKING」なのですが、JQさんはまさに歩みを止めていないですね。
「KEEP WALKING」とナルバリッチって親和性があるんです。もともと持っている強みを守り抜くのでは無く、新しいものを探し、トライし、変わり続ける方が僕ららしい。よく「自分の軸は?」なんて話しが出ますが、そもそも変えようがない軸は誰にでもあるわけで、それは大前提。その上で、変化して成長したいじゃないですか。ロールプレイングゲームで次々と新しい武器をゲットして進化していくみたいな…自分のレベルが上がっていくような? そんな喜びってありますよね(笑)。
―ここまでグラス片手にお話をしてきましたが、お酒と音楽の相性ってどう思われますか?
絶対的な関係かな(笑)。 お酒は音に寄り添ってくれるものだと思っています。僕自身、以前はバーで一人で飲むことが多かったのですが、コロナ禍で世の中の音楽の聴き方も変わってきたと思っています。これまでは通勤中にイヤホンをして外界をシャットダウンするためのツールでもあった。今は家の中で、純粋に空気と音楽が触れ合った状態で耳に入ってくることが多いのでは? だから気持ちのいいサウンドの音楽が支持されたりもしています。そんな生活様式に合わせた音が生まれていこうとする中で、お酒と音楽の関係というのも、ますます隣接していく気がするんです。
後編では、JQさん流のお酒の楽しみ方を伺いました。JQさんに飲んでいただいているのは、門外不出のブレンディング技術で、29もの味わい深いシングルモルトをブレンドしたジョニーウォーカー・ブラックラベル。200周年を記念したキャンペーンサイトはこちらからどうぞ。
2020年12月31日までのキャンペーン期間中、Twitterの公式アカウント Johnnie Walker Japan (@johnniewalkerja)をフォローし、キャンペーン投稿内に設置されているハッシュタグ付きの投稿ボタン押してツイートした人の中から、「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」のミニボトル1本入りのオリジナルボックスを毎日最大200名様に抽選でプレゼント中。奮ってご応募ください!
〈Nulbarich プロフィール〉
シンガー・ソングライターのJQ(VO.)がトータルプロデュースするNulbarich。「Null(何もない)」けど「Rich(満たされている)」というバンド名には、アンビバレントなスタイルへのJQの想いが込められる。2016年10月、1st ALBUM『Guess Who?』をリリース。その後わずか2年で武道館ライブを達成。即ソールドアウト。ファンク、アシッドジャズなどのブラックミュージックをベースに多様な要素をミックスさせたスタイルは、日本国内でも唯一無二の存在感を持ち、アジアでも人気を博している。最新シングルではVaundy&n-buna(ヨルシカ)と初のコラボレーション作品をリリース。全員が自ら楽曲プロデュース、コンポーザーを務めるアーティスト同士の共演が話題を呼んでいる。Nulbarich Live Streaming 2020 (null)
配信日時:12月22日(火) OPEN 19:30 / START 20:00
Guest:Vaundy
視聴券販売期間:11月21(土) 12:00 〜 12月28日(月)19:00
視聴期間:生配信より12月28日(月)23:59まで
Mobile会員「Hometown」限定 Nulbarichオリジナルスマホステッカー付視聴券:¥3,500
一般視聴券:¥3,500-(税込み)視聴券購入はこちらから
https://nulbarich.com/feature/livestreaming_2020
CREDIT
Text: Takako Nagai [CATALDESIGN]
Photography: Yuri Manabe
Hair and make-up :Hitomi Monobe
Edit: Shunpei NaritaLocation: INC COCKATAILS
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東京都渋谷区渋谷1-5-6 ラ・コリーナ渋谷B1F
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19:00-3:00(L.O2:30) 無休