スペシャルティコーヒーが“日常のハイライト”をつくる

コーヒーサブスク［Post Coffee］代表・下村領氏インタビュー

RiCE.press 　/　Oct 26, 2023

「コーヒーは種類がたくさんあって、自分好みのものがどれかまだわからない……」
「一度コーヒー豆を買うとなかなか減らなくて……」
「でも、美味しいコーヒーにたくさん出会いたい！」

そんなお悩みを抱えるあなたにおすすめしたいコーヒーサブスクリプションがある。その名も［PostCoffee］だ。

ランチ後のデザートに何を食べる？
トーストには何をのせる？
好みのチョコレートの種類は？
といった1分ほどで完了する質問に答えるだけで、あなたのコーヒータイプを診断。約30万通りの中から導き出されるおすすめコーヒー3種類を毎月ポストに届けてくれるというサービスだ。

無類のコーヒー好きによるコーヒーサブスク［PostCoffee］

その魅力はなんといっても、世界約20ヶ国から厳選したロースタリーからセレクトしたラインナップ。［Raw Sugar Roast］（東京）、［And Coffee Roasters］（熊本）、［AKITO COFFEE］（山梨）など、国内の気鋭ロースタリーもしっかりカバーする。

▶︎ロースターパートナーはこちらからチェック

「冒険度」というコーヒーセレクトの指標を調整すれば、自分の好みにぴったり合うコーヒーだけでなく、レパートリーを広げてくれるようなコーヒーに挑戦することも可能。新たなコーヒーとの出会いを存分に楽しむことができる。

季節ごとのブレンドが届くというような従来のサブスクも楽しいけれど、コーヒーの好みを教えてくれたり広げてくれる体験が新しい［PostCoffee］。まさにライフスタイルに寄り添ってくれるこのサービスを提供するのはどんな人物なのか？今回は［PostCoffee］代表・下村領氏にインタビューを行なった。

［PostCoffee］代表・下村領氏

元々、大のコーヒー好きだったという下村氏。デジタル系のクリエイティブを手がける会社を経営していたが、コーヒー好きが高じてハイスペックのエスプレッソマシンを自ら購入し、2013年からは渋谷でカフェを始めてしまったほどだった。その当時出会ったのがスペシャルティコーヒー専門店［LIGHT UP COFFEE］。その美味しさに衝撃を受け、より多くの人にこの感動を届けたいという思いから、2019年［PostCoffee］を立ち上げた。

それでは早速、スペシャルティコーヒーの魅力からこれからのコーヒーライフのあり方まで、下村氏に聞いてみよう。

訪れたのは下北沢に2023年9月にオープンした［PostCoffee］の実店舗。オンラインメインの［PostCoffee］が直接コーヒー体験を提供できる場として、新たな展開が始まっている

自分の好みに合うスペシャルティコーヒーを楽しめる時代

——スペシャルティコーヒー専門でサービスを展開されていますが、まず下村さんが考えるスペシャルティコーヒーと“普通のコーヒー”との違いを教えてください

スペシャルティコーヒーの長所は、コーヒーに真っ当な価値がつけられるところです。通常、コーヒー豆の取引価格は市場主導で決まります。つまり、品質よりも需要と供給といったことに左右されやすく、生産者のモチベーションにつながりにくいという側面があります。しかし、スペシャルティコーヒーは、品質に見合った価格での取引が基本で、美味しいことはもちろん、生産者の努力への対価をきちんと渡せるんです。どうせコーヒーを飲むのなら、より気持ちよく飲める、ということも今は重要だと思います。

——国内外の有名ロースタリーからのコーヒー豆を販売するだけでなく、自社焙煎にも注力されていますよね。

焙煎が深くなるほど豆自体の個性は薄くなる傾向があるので、世界のトップロースターたちの豆には浅煎りが多い。豆の個性を最大限生かそうとした結果です。一方、日本の昔ながらの喫茶は深煎りが主流。だから今でも、日本のマーケットでは深煎り好きの方が多くいます。自社焙煎では深煎りを増やし、コーヒーのラインナップのバランスを取ることで、お客様の色々な声に応えられるようにしています。

約30種類のコーヒー豆が並ぶ店内。各ロースタリーのコンセプトや取り組みを伝える充実した解説を参考に、気になる豆をセレクトできる

——深煎り好き、浅煎り好き問わず利用できる幅広いラインナップや、好みのコーヒーをセレクトしてくれる診断など、使い手のライフスタイルにフォーカスした提案が詰まっていますね。

そこはとても大切にしています。淹れ方も細かく指定せず、「お湯を注げば美味しいコーヒーができるから飲んでみて」というスタイルです。一方で、インスタグラムやウェブサイトではコーヒーをもっと深く味わうためのアイデアも紹介しています。キャンプ先で淹れるコーヒーや、家でゆっくり淹れるコーヒー、生活の様々な場面にコーヒーがあることで、その体験がよりよくなればと考えています。

——人々のコーヒーとの接し方は、今後どのように変わっていくと思われますか。

コロナ前はみんな外に出て、“映え”を作ることで人生のハイライトをログしていました。でもコロナ以降、自分のライフスタイルを良いものにして生活に小さなハイライトを作ろうとする流れが顕著になってきています。そんな中、これからはもっと気軽に、自分の好みに合うスペシャルティコーヒーを楽しめる時代が来るのではないでしょうか。

店内には下村さんが一目惚れしたというエスプレッソマシーンが

メニューはハンドドリップコーヒー、ラテ、アメリカーノの3種類
（写真はラテ）

——9月には実店舗もオープンされましたが、今後の展望を教えてください。

［PostCoffee］は、立ち上げてから今まで3年ほどオンラインに注力してきました。でもこれからは、コーヒー豆と一緒に、じっくりとコーヒーと向き合う体験も届けられるようにしていきたいと思っています。そのために、店舗でお客さんのリアルな反応を見ながら、オンラインのサービスもより良くしていく予定です。店で豆を選び、購入して飲むという過程を経て、スペシャルティコーヒーの素晴らしさに出会ってくれる人が少しでも増えれば嬉しいですね。

今試したいスペシャルティコーヒー9選
selected by PostCoffee

ここまでスペシャルティコーヒーの魅力を力強く語ってくださった下村氏が、今注目しているコーヒーとは？今回は特別に、3つの切り口から3種類ずつおすすめコーヒーをセレクトしていただいた。

仕事中もしくはリラックスタイムに……シーン別のおすすめ3種

（左から順に）

▶︎爽やかな朝のひとときに
PostCoffee「タンザニアアカシアヒルズ」
ふんわりと目覚める、強すぎないこくのある浅煎りのフルーティコーヒー。

▶︎お仕事中のリフレッシュに
PostCoffee「ポストコーヒーブレンド」
オレンジのような甘さのある酸味に、ベリーの風味を思わせる余韻が心地よい。程よいボディ感や透明感のある口当たりが毎日飲みたくなるブレンド。

▶︎スイーツ片手にすごすリラックスタイムに
豆ポレポレ（沖縄）「ブラジルアルタグラシア」
ダークチョコレートのフレーバーにカシューナッツやアーモンド等のローストナッツの香ばしさが楽しめるコーヒー。バランスの良い味わいでどんなシーンにもぴったり。
／豆ポレポレHP：https://mamepolepole.shop

少し冒険したいあなたに。ユニークな3種

（左から順に）

トランクコーヒー（愛知）「ケニアニエリ」
ケニアらしいジューシーなオレンジやグレープフルーツの果実感がジュワッと広がる。
／TRUNK COFFEE：https://www.trunkcoffee.com

カリオモンズコーヒーロースター（長崎）「ホンジュラスラ・フォルトゥーナ」
パイナップルやヨーグルトのような清涼感のある爽やかな酸味。花のアロマを伴ったハチミツのような甘さが後味にかけて長く続く。
／KARIOMONS COFFEE ROASTER：https://kariomons.com

94セルシウス（カナダ）「エルサルバドルディエゴバラオナ」
スグリの美しい香り、黒胡椒の驚くべき香り、そしてレモンの余韻が感じられる。
／94Celcius：https://94celcius.com

要注目！な新進気鋭ロースタリーから3種

（左から順に）

リーブスコーヒーロースターズ（東京）「エチオピアグジラスタ」
コーヒーは「黒くて苦い」というイメージを覆す、コーヒー豆の甘さやフルーティーな香り、雑味のないクリーンカップにフォーカスをあてたロースタリー。「エチオピアグジラスタ」は桃やプラムのような甘さとフローラル感が楽しめる一杯。広がるアロマで心落ち着くひとときを過ごして。
／LEAVES COFFEE ROASTERS：https://leavescoffee.jp

ロウシュガーロースト（東京）「エチオピアアリーチャ」
多様なコーヒーカルチャーを継承し、国内外での経験を通して、自分たちが本当に美味しいと思う味作りを目指し、2022年春経堂にオープンしたロースターリー。「エチオピアアリーチャ」は豆の魅力を最大限に生かしたコーヒーベリーを思わせる甘く華やかな香りに、一口目から様々な柑橘を感じさせる複雑な酸味と風味が印象的な一杯。コーヒーの概念を覆す圧倒的なフルーティさは、毎日のコーヒータイムに彩りを与えてくれる。
／Raw Sugar Roast：https://rawsugar.base.shop

アオマコーヒー（大阪）「ケニアキアンデリ AA」
美味しいコーヒーで飲む人の情緒を動かし、それをコーヒーの未来に繋げることを使命としているロースター。「生産者の人柄まで感じられる沁みるコーヒー」で味覚を刺激したい、という思いのこもった焙煎に全国のファンも多い。「ケニアキアンデリ AA」は、黒糖の甘さにブラックベリーやプラムの風味が特徴の一杯。ホットはもちろんアイスコーヒーや水出しコーヒーにしてもGOOD。
／aoma coffee：https://aomacoffee.com

［PostCoffee］には、他にも個性あふれるスペシャルティコーヒーが多数。自分のライフスタイルや好みに合わせた豆と出会い、新しいコーヒーライフの扉を開いてみては？