【完売御礼】新年の贈り物としてもぴったりな6個セット
【限定販売】素材をありありと味わう[シンチェリータ]のジェラート
今回RiCE.pressでご紹介する一品 [シンチェリータ]のジェラート6個セット
いつでも手軽に、街のジェラテリア
阿佐ヶ谷駅から北に歩いて7〜8分ほど、住宅街と商店街がお互いに溶け込むようなエリアに[ジェラテリア・シンチェリータ]はある。2010年にオープンし、今年でちょうど10周年。[シンチェリータ]もまたこの街の日常の風景として溶け込んでいる。
夏場だけではなく年中無休で営業するジェラート専門店として10年間この地で多くのお客を迎えてきた事実が、「いつもそこにあって」「気軽に食べられる」「毎日食べたい美味しさ」といったこのお店のコンセプトをまさに体現している。
3月のオープン記念日も非常事態の中で迎えることになった今年。止むを得ず不規則な営業となった時期もあったが、それでも同店オーナーでジェラート職人の中井洋輔さんは日々粛々とジェラートづくりに勤しんでいた。
「ありがたいことにお取り寄せでの需要も多く、忙しくしていましたよ。大体朝の9時くらいから始めて、夕方まで一日中何かしら仕込みをしています」
[シンチェリータ]のジェラートづくりのほぼ全てをオーナーの中井洋輔さんが担う
この日も、牛乳と脱脂乳合わせて30本近くもひたすら開けては加熱用の機械に投入したり、砂糖やハチミツ、和三盆といった原料を計器で測って、それぞれのレシピに沿って淡々と配合する中井さんの姿があった。
「ジェラートづくりはけっこう機械頼みなんです」と中井さんは話す。実際、加熱殺菌や攪拌、冷却といったプロセスは専用の機械で行うのがベストで、もちろん[シンチェリータ]にはイタリア製の最新鋭の設備が整っている。日々、多いときには100kgも仕込むための高効率な製造設備が必要な一方で、[シンチェリータ]のジェラートづくりが特別である所以は、ジェラート職人・中井さんの素材に対する誠実な向き合い方にある。
素材が活き活きとしたジェラート
定番フレーバーの一つ「ピスタチオ」のジェラートをつくるためには、シチリア産のピスタチオを自家焙煎した後に手作業で一粒一粒薄皮を剥く。「ピスタチオをひたすら剥いているだけの日もあります」と中井さんは笑うが、時に地道な下ごしらえこそ、素材が活き活きとした[シンチェリータ]のジェラートの秘訣といえる。
ジェラートになった時の食感・風味を検証しながら、「素材をより素材らしく」感じられるように各素材と向き合いその活かし方を探っていく。だから[シンチェリータ]のジェラートを食べてみると、素材の風味を閉じ込めたというより、素材自体をありありと感じるのだ。
提供カウンターのすぐ奥にガラス張りの調理場が覗く。ラジカセや書籍など、中井さんのセンスも随所に光っている
「メルノワ」は、蜂蜜のミルクジェラートに、手で砕いたピーカンナッツによる自然な食感が病みつきになる中井さんの代表作。スプーンでひとすくいして口に含めば幸せな甘さが溶け出し、活き活きとしたナッツの食感が躍り出て、それを噛み締めればフレッシュな香りが広がる。中井さんはこの「メルノワ」で2011年に国際ジェラートコンテストで第3位を獲得。一際思い入れの強いジェラートとして開店当初からお店に並んでいる。これも定番の「カカオ」は粒の入っていないスムースなジェラートだが、濃厚な口溶けがチョコレートのぜいたくさをじんわりと、それでいて上品に口の中に広げてくれる。どんな食材でもその特徴を遺憾なく発揮させる。ジェラートとはかくも闊達なスイーツなのかと感じさせてくれる。
ピーカンナッツが投入された「メルノワ」。ジェラートも美味しい、ナッツも美味しい。合わされば最強に美味しい
春夏秋冬、それぞれの美味しさ
これらの定番フレーバーに加えて季節ごとに変わるシーズナルフレーバーも10種類以上用意されている。さらには今月のフレーバーやコラボレーションによるスペシャルフレーバーなど、年間数百種類ものフレーバーが生まれるという。
「(フレーバーづくりは)素材ありきの部分が大きいですね。果物はそれぞれの農家さんから仕入れているので、その分だけお付き合いする方がいます。『何々が採れたよ!』ってよく電話がかかってきたりしますね。この前も小平の農家さんから『ポポウ(珍しい果物)ができた』って連絡が来て、よくわからないけど面白そうだなとか。ユニークなタイプの農家さんが多いですね」
四季折々で旬の果物が各地から届く。[シンチェリータ]はジェラテリアでありながら、八百屋さんのように旬の食材で季節を感じさせてくれる。夏場にジェラートの人気が高いことはもちろんだが、[シンチェリータ]のジェラートは秋でも冬でも、季節ごとの自然の恵みを美味しさとともに体感させてくれる。 ちょうど今の時期「りんご」がシーズナルフレーバーの一つとして並んでいる。一口にリンゴと言っても品種は様々。品種や品質の見極めとセレクト、そして加熱するか生のままかなど特徴に応じた仕込みの方法が考え抜かれている。シナノゴールドという品種を使用した現在の「りんご」は生のままペースト状にしてジェラートにしているという。リンゴ独特のシャリっとした質感が、ジェラートになっても舌の上で表現されている。
旬の食材がこんなに美味しい状態で家の冷凍庫に入っているなんて、幸せなことではないか。 そうした素材の美味しさや生産者の想いを伝えるために、中井さんは出来る限り自分の足で土地土地を訪れ、作り手との対話を通じながら素材がどう作られているかを知ることを大事にしている。中井さんの誠実な歩みが、先のようなやりとりが生まれるような生産者との信頼関係につながっているのだろう。
中井さんの食材との向き合い方は、食べ物の美味しさをいかに意識するかという姿勢を教えてくれる
「ライスのジェラート」始めました
誠実に素材と向き合うことで中井さんのジェラートづくりの引き出しは自然と多くなっていった。そしてそれが中井さんのジェラート職人としての技術的ベースになっているのだと感じる。さらには、「イタリアのジェラートの真似をしていても面白くないですし」と話すように、これまでジェラートにはなかったような食べ物もジェラートで表現してしまえるという自由さがある。
「ジャスミンライス」というフレーバーが生まれたのも、こうした独創性の賜物だといえるだろう。「RiCEのために」と考えてくれた、お米を使ったジェラート。
「実は以前からお米は使ってみたいと思っていたんです。10周年の記念フレーバーでバスマティライスをやってみたり。今回はジャスミンライスがうまくできました」と語る中井さんはその作り方を実演しながら説明してくれた。
ル・クルーゼの鍋で丁寧にジャスミンライスを炊いていく
「阿佐ヶ谷にアラブ食材店があって、そこでいいジャスミンライスを見つけたんです。シナモンやフェンネルなどのスパイスを牛乳で煮て、ジャスミンライスを炊きます。最初、ジャスミンライスを別で炊いてから漬け込んだのですが、うまく浸透しなかった。ポイントはジェラートにして凍らせた時にライスが固くならないようにすることです」
仕上がった「ジャスミンライス」ジェラートを一つずつカップに詰める
ミルクジェラートにジャスミンとスパイスの香りが溶け合い、所々でライスの食感も楽しめる。「お米は固すぎない方が美味しく食べられるので、(冷凍庫から出して)少し置いておくとちょうどいいですね」と家庭での食べ方のコツも教えてくれた。
攪拌機から出たばかりのできたてのミルクジェラートにジャスミンライスを載せたものを味見させていただくと、驚きの美味しさ。香りがはっきりと立ち上がり、なによりジェラートのなめらかさたるや!
「いろんなお米でつくるのが楽しいので今後も試したいと思います。バスマティライスも良かったですし、イタリアのお米も試したいですね」と中井さんの頭の中ではさらなるライスジェラートのアイデアが膨らんでいる。
きょうもジェラート日和。
今回RiCE ECでは、このスペシャルフレーバーの「ジャスミンライス」に加えて定番2種&シーズナルフレーバー2種をセットにして販売をするので、ぜひお見逃しなく。
中井さんはイタリアのジェラート屋さんを「駄菓子屋さんみたいな存在」だと教えてくれたが、[シンチェリータ]というお店にもそうした精神が息づいている。いつもそこにある安心感に、目移りしそうなフレーバーの数々。大人も子供も、カップ一杯でいつもワクワクさせてくれる。誠実さと独創性という[シンチェリータ]らしさがぎっしり詰まったジェラートは、いつの季節にも幸せな味を口に広げ、心を満たしてくれる。
きょうもジェラート日和。[ジェラテリア・シンチェリータ]のジェラートをぜひご家庭でも楽しんでいただきたい。 商品の詳細・ご注文は以下の「商品購入ページへ」からお進みください。
ご好評につき初回分完売いたしました。次回フレーバーにご期待ください!
中井洋輔|Yosuke Nakai 1980年、神戸生まれ。2002年より主にインテリアデザインを学ぶため渡伊。約2年イタリアで学んだのち帰国後はインテリアデザイナーとして活動する。イタリアではジェラートを食べ歩き帰国後は日本でも色々なアイスやジェラートを食べるも、ピンと来るジェラートがなかったため2009年より自らジェラート作りを始める。半年ほど東京のジェラテリアで修行し新規ジェラテリアの立ち上げを行い、2010年より[ジェラテリア・シンチェリータ]を開業。雑誌『RiCE』では「カレンダーリオ」と題してこだわりのフレーバーにまつわるエピソードを佐内正史氏の撮り下ろし写真とともに連載中。
- CREDIT
- Produce: Harumi Fukuda
Photo & Video: Taro Oota
Text: Yoshiki Tatezaki
Coordination: Miho Akahoshi & Hikaru Yamaguchi