『アンクールな人生』発売記念
弘中綾香 スペシャルインタビュー
RiCE本誌にて連載「ごほうび飯に甘やかされたい!」を執筆中の、テレビ朝日アナウンサー弘中綾香。今年9月に初となるエッセイ集『アンクールな人生』を上梓した。煌びやかなイメージとは裏腹にある「アンクール」に込められた意味とは?そんな人生を支える彼女の食生活は?プライベート感ある写真と共にお届け。
――連載でも書いていただいていますけど、食べることが本当にお好きなんですね。
食に対して貪欲で(笑)。子供の頃からわりと食べるのが好きで、嫌いなものもないです。
―――食べるのが好きだと、RiCEの連載を書くことも楽しいですか?
書かなきゃ!みたいに思ったことは1回もないです。逆に、書くぞ!という感じで毎回楽しくやっています。
――初回はお寿司についてのコラムでしたけど、意外と庶民派というか。お好み焼き、参鶏湯、そしてブリカマというところで。今日も大学芋を召し上がられて。
大学芋、大好きです。
――そういうのも好きだったんですね。今年は結婚もされましたし、弘中さんにとって区切りの年だったのでは?
そうですね、本(『アンクールな人生』)も出しましたし。でも結婚に関しては何も変わらないですね。お互い既に自立した大人ですし。逆に変わらなさすぎて面食らってますけど(笑)。
――本を出すにあたって、これまでの人生を1回振り返って何か気づきなどありましたか?
思い返してみると、点と点が線になるじゃないですけど、私ってこういう人間なんだなという風に思っていた理由が分かったような気がしました。例えば、子供の頃の経験が私を負けず嫌いにしたんだろうなぁって。俯瞰で見て、自分の謎解きができた感じです。
――一般的には弘中さんって、選ばれた人というイメージがあるかもしれません。本のタイトルに敢えて、『アンクールな人生』とつけた理由は?
たまたま読んでいる本にアンクールという単語が出てきて、すごく気に入ったんです。アンクールっていいな、クールじゃないっていいなと思って。どこかでこの言葉を使いたいなと思っていた時に、丁度本のタイトルを考えることになって、まさしくこれじゃないかと思ったんです。
――表紙の証明写真は、入社当時のものですか?
リクルートスーツを着て撮り直しました(笑)。さすがに31の私です。
――あえてそういうふうに撮ったんですね。
日経新聞に「私の履歴書」ってあるじゃないですか。あれを小さいときに読んでいて、すごく面白いなと。自分もいつかやってみたいと思っていたんです。本のテーマと、履歴書というモチーフみたいなのがはからずも合いました。履歴書代わりの1冊になるといいなという意味合いもあります。この本のお話をいただいたとき、丁度私が30手前で、いっちょ振り返ろうかなみたいなものが自分の中にあったので。もともとHanakoの連載(2019年5月よりスタート)をやる前から、自分の文章を書いて発表したいなって思っていたんです。文章が上手いとはあんまり思っていなかったんですけど、自分の感情や考えをまとめる手段として、私には文章が一番合っているような気がしたんです。
――テレビに出てお忙しくされていますけど、書くことにこだわる理由は?
テレビというお仕事は出役という形で参加しているので、演者として決められた役割をいかにまっとうするかみたいなところがあって、全てにコミットしている感じじゃないんです。テレビは自己主張する場ではないので。そう考えると、書くのってやっぱり自由度は高くて、楽しい。自分の思っていることを0から100まで書けるメディアみたいな感じで。Twitterだと物足りないし、Instagramともまた少し違って。それだったらプロの方に見ていただいて、校正していただいたり、アドバイスをいただきつつ、やったほうがいいかなと思いました。
――本当に伝えたいことを書ける場ができたことで、弘中さんの気持ちとしてバランスが取れた感じはありますか?
はい。もうものすごくあります。逆になかったら、ちゃんとやっていけてたかなという。
――どこかで無理をしていた?
無理があったかもしれないですね。読んでくださった方が共感できましたとか、こういうところが面白かったですと言ってくださって、ありがたいなと思います。本当の私のことを知ってくれている人がいるというのがすごく支えになるなと。
――自分は自分で良いんだという、肯定感のあるメッセージがすごく伝わりました。
若い世代の子に読んでほしいなと思っています。私も若いとき自分は将来何ができるんだろうみたいな感じでした。今の子たちも比べられたり、逆に情報がありすぎて迷っちゃうみたいな感じなんだろうなと。だから読んでくださった方が、「そんなの気にしなくて良いよ」ということを感じてくれれば嬉しいです。
――全国の高校や大学に、プロモーションで行かれてましたよね。
そうなんです。講演会をしました。かっこいい言い方をすると、やってみないと何も始まらないよというか、私なんかって思うんじゃなくてちょっと飛び込んでみるとか、とりあえずやってみたらいいんじゃない、みたいなことを伝えました。
――印象的だったことはありましたか?
県内一の進学校みたいなところに行った時に、高校1年生の女の子が自分に取り柄がないと言っていて。私も確かに同じように取り柄がないと中学生の時に思っていたなと。でも、何かができるって、勉強とかスポーツだけじゃない。明るいでもいいし、お友達が多いでもいいし、部活頑張ってるでも、お母さんの手伝いしてるでもいい。それも一つのベクトルなんだよっていうことを伝えました。
――本を読むと分かりますけど、弘中さんの高校、いい高校でしたね。
学力一辺倒とか、学校によって色々あるじゃないですか。でも、うちの高校は別にみんな一緒じゃなくていいじゃん、逆に色んなことが得意な子がいた方がいいよね、みたいな感じでした。みんなと違ったほうが良いんだ、みたいなのはその3年間で考えて。例えば、誰々ちゃんと一緒がいいみたいなのがあるかもしれないですけど、私は逆いった方がいいなみたいなのになんとなく気付いていました。
――やっぱり今の弘中さんがいるのは、等身大の弘中さんを、周りと先生に認めてもらえたというところが大きかったんですかね。
そうですね。この仕事に就いてからも、私たちはすごく比べられて、真逆だねとか言われることも多いんですが、真逆のほうが良いじゃんと思うんですよね。あの子が得意なことを私が得意でも意味なくない?みたいな。やっぱり誰かになろうとか、真似しようとか、若いときはいいと思うんですが、二番煎じになっても意味がない業界ですから。この子がこうだったら私はこっちにいこうみたいな考え方は、それこそ高校生くらいのときから形成されてきたのかなと思っています。
――今年は本も出たり、新しいことにも挑戦して、それを続けることも大事ですよね。
そうですね。続けるのも大事ですよね。あと、プロモーションで高校とか大学回って、若い子とお話しするのも楽しいなと思いました。若い子に向けてゼミとかやりたいですね。
――それ面白いですね。
慶應の三田祭に行ったときに、私がどういうふうに仕事を選んだのかとか教えてくださいって言われて、話したんです。もし自分がゼミをやるなら、将来どういう風になりたいか、どうやったら社会人生活が楽しいと思ってくれるか、みたいな話をしたいなと思いました。どういう仕事が自分に合ってるか探すお手伝いみたいなことができたら。
――弘中ゼミって、番組の名前にもちょうど良さそうだけど。
月1くらいみんなで集まって、自分の得意なことを探そうみたいな。みんなで何かを書いたり、読んでみたりとか、楽しそうですよね。
――今やっていることの延長にありそうですよね。
この本を出さなかったら分からなかったことですし。何かひとつのことをやってみて、あ、これも楽しそうかもとなる。じゃぁ今度はこれもやってみよう…みたいな感じで繋がっていく。どんどん次の階段が見えてくるような人生なんです。
CREDIT
Photo by Massa Uemura
Hair & make-up by Takako Koizumi
Styling by Erika Nakanishi
Interview & Edit by Hiroshi Inada
Edit by Shunpei Narita
Text by Airi Katoラッフルカラーのトップス¥24,200
オーバーオール¥36,300/HOLIDAY
ニットカーディガン¥7,590/BIG TIME下北沢
その他スタイリスト私物
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