『RiCE No.27』表紙巻頭・拡大版
鈴鹿央士、チョコレートづくりに挑戦
2月6日発売のRiCE最新号「チョコレートは愛だ」の表紙巻頭には、俳優・鈴鹿央士さんが登場! 撮影で鈴鹿さんが訪れたのは、ビーントゥバーのムーブメントを牽引するチョコレート専門店[Minimal 富ヶ谷本店]。チョコレートづくりからテイスティングまでを体験してもらいつつ、お話を伺いました。RiCE.pressでは、惜しくも誌面には載せられなかった出演映画『ロストケア』の撮影秘話や、俳優業の魅力、あの人から貰ったチョコレート!?まで、チョコより甘~~い表情とともにお届けします!
――今回は、ビーントゥバーという、カカオ豆の状態からチョコレートバーになるまでの工程を体験していただきました。こういう体験は初めてだと思いますが、いかがでしたか?
楽しかったです。チョコレートが、ラグビーボール程の大きさの実(カカオ豆)からできるとは思いませんでした。それを撹拌すると、粉になるのではなく(カカオバターの)油分でトロトロになり、香りも増していく…。その過程が本当に不思議でした。初めてチョコレートをつくった人は天才ですね。
ワークショップでは、ローストしたカカオ豆の殻をむいて砕くところからスタート!
ミキサーですり潰すと、ねっとりチョコレート感が!
――本当ですね。さて、自分でつくったチョコレートのお味はいかがでしたか?
粗めにつくって正解でした。今までサラサラしたチョコレートしか食べたことがなかったので、砂糖やカカオの豆感が残っているチョコレートは良いですね。
――テイスティングでは沢山食べていただきましたね。
どれも味わいが全く違いびっくりしました。「NUTTY」からはじまり、「SAVORY」はミントが入っているのではというくらい爽快感があり…。口に入れたときと鼻から抜ける瞬間の味わいが変化していくところに奥深さを感じました。
[Minimal]のテイスティングとペアリングのセット。※[Minimal]富ヶ谷本店限定
――ドリンクとペアリングするとまた味わいは違いました?
広がりが増して、よりいっそう興味が沸きました。元々コーヒーが好きなのですが、チョコとの組み合わせも良かったです。豆が違えば、バランスもきっと変わってくるんでしょうね。
紅ほうじ茶と「NUTTY」のペアリングにトライ!
――鈴鹿くんといえばデビューのきっかけが有名ですよね。広瀬すずさんに見出されたとか。
そうです。通っていた(岡山県の)高校で映画(『先生!、、、好きになってもいいですか?』/2017年)の撮影があり、その様子を間近で観たくてエキストラに参加しました。カメラとかを見て興奮していましたね。その時すずちゃんとは直接話したわけではなく、会釈したくらいだったのですが、教頭先生に呼ばれて行ったら現場マネジャーさんから名刺を渡された、というのが始まりです。
――東京の感覚と違いますもんね。驚きました?
これがスカウトか!と思って驚きました。その後、事務所に初めて遊びに行ったのが2月14日のバレンタインデーで。仕事の合間にすずちゃんが来てくれて、手づくりチョコレートをいただきました。バレンタイン貰っていいんですか…!と思いつつ、すぐには食べれず岡山に戻ってから食べました。
――チョコレートがご縁を繋いだんですね。そのときは既に、俳優業で頑張っていこうという気持ちは芽生えていたのですか?
当時はとにかく(芸能の世界が)わからなすぎて…。本当にご縁でお仕事があればいいなと思っていました。しかし『蜜蜂と遠雷』に出演し一気に芽生えましたね。
――面白さや、やりがいを感じたのですか?
とにかく現場の人が良かったというか。石川慶監督や石川組の皆さんとご一緒して、こんなにまっすぐな大人っているんだというくらい、作品や映画が好きな人たちが集まっていて。作品を良いものにしようと、一つのゴールを目指して作品に向き合う大人の姿を見て、この世界っていいなと感じました。またこの人たちと作品づくりしたいという想いが強く芽生えたのはそこからですね。
――初期にそういう出会いがあるのは良いですね。
はい、出会いやご縁の運は強い方だと思います。その後もアカデミー賞など、様々な映画賞を頂き、スタッフさんたちとまた再会できました。続きがあったことがすごく嬉しかったです。自分が評価されたというより、スタッフさんたちが“鈴鹿央士がやりやすいような環境“を整えてくださっていたおかげなのですが。
――向き合ってくれている感じですね。特に昨年は忙しい日々を駆け抜けたでしょう? ドラマ『silent』も社会現象になっていましたし。今年3月には、映画『ロストケア』が公開されますね。主演に松山ケンイチさん、ヒロインに長澤まさみさんという演技派の素晴らしい方たちとご一緒されていますね。
僕の役柄的に、松山さんと長澤さんがお芝居しているところを特等席で観ているような感覚でした。そして監督の前田さんも、すごく寄り添ってくれる方で。細部まで妥協のない現場を見て圧倒されましたね。
――そうですよね。役者さんがテンションをマックスまで持っていくシーンが続きますからね。結構影響を受けたのでは?
長らくドラマを撮っていたので、映画の現場は久しぶりだったし、ここまでがっつり作品を作るっていうのは初めてだったので、影響は本当に大きかったです。実は昨年4月放送のドラマ『クロステイル』の撮影最中に、二週間空けて地方で『ロストケア』を撮っていたのですが、その後から『クロステイル』での(お芝居の)感覚も少し変わりましたね。
――ある種、日本映画のど真ん中のような作品だと思います。長澤さんも松山さんも、かなり憑依型というか。臨む姿勢みたいなところも含めて本当に役作りされてやっていますよね。
本読みの時点で、監督さんとの話し合いもかなり濃かったんです。やっぱり最前線に立つ人の凄さや個性とかをすごく感じた作品だったので、かなり勉強させていただきました。
――現場で様々な出会いがある中で、今後どういう背中を追いかけ、どんな風になっていきたいかなど、思うことはありますか?
表現という点で、先輩方がどういう感覚を持っているのかとても気になるのですが、モノマネになってはいけないとは思うので、自分らしく色んな方の背中を見て、自分なりに混ぜつつ形づくられていけばいいなって思っています。
――そしてネットフリックス作品『君に届け』も三月から配信されますね。
はい。王道高校生青春ラブストーリーは初めてで。僕的に王道の恋愛ものができると思っていませんでした。
――制服着て、となるとより期間は限定されますからね。
鈴鹿だからこそ今できて良かったって思うし、またそれがネットフリックスっていう世界に発信しようとする現場を体験出来て楽しかったですね。
――だんだん海外の壁みたいなものがなくなってきていますもんね。海外に行きたいという気持ちもありますか?
あります。石川監督が『蜜蜂と遠雷』でポーランドのワルシャワ国際で映画祭出展されている様子とかを見て、いつかは自分も海外の映画祭とか行きたいなとも思います。ただ、単館系の作品もやっぱり出たいって思うし、今泉力哉監督が撮られてきたような作品とか色んな映画に出たいし。それで海外の人の目に留まるのはいいなあって思いますね。
――そうですね。今の時代の広がっているチャンスですしね。では最後に、鈴鹿君にとってチョコレートとは?
お芝居って無限だなとよく思うんです。正解がないというか。突き詰めていけば、壁や疑問が生まれて模索しながら進んでいっている感覚です。チョコレートもそれに近いなと。今日([Minimal]代表の山下さんが)仰っていた「やっぱりチョコレートは人を笑顔にしますね」という言葉が残っていて。僕もお芝居やっていて、「毎週の楽しみになっています」とか「このために頑張ります」と言っていただくことがあるのですが、そうやって人生のお供になっているのって幸せだと感じます、チョコレートと芝居って、ジャンルは全然違うけれど、似ている部分があるなっていうのは今日感じました。僕もチョコレートに支えられながら頑張っていこうと思います。
鈴鹿央士
俳優、メンズノンノモデル。映画『蜜蜂と遠雷』(2019年)にて映画デビュー。2021年『ホリミヤ』では主演を務めた。ドラマは、2019年NHK連続テレビ小説「なつぞら」や2021年「ドラゴン桜」(TBS)、2022年「六本木クラス」(テレビ朝日)、「silent」(フジテレビ)に出演。出演作『ロストケア』が3月25日より公開のほか、Netflix作品『君に届け』が3月より全世界配信される。
Photography by Mika Ninagawa
Styling by Yutaka Asakura
Hair & make-up by Ai Miyamoto
Interview by Hiroshi Inada|Text by Mika Kobayashi
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