おいしい裏話

「ちょんぼろ焼き」(RiCE No.28に寄せて)


Banana YoshimotoBanana Yoshimoto  / Apr 13, 2023

 関西の友人の実家には、家族でいつも食べるという「ちょんぼろ焼き」というものがあった。
 ゆるゆるに溶いた小麦粉に卵とだし醤油を入れて、細ねぎをたくさん入れて、小さめの丸形に焼くだけのものだった。
 できたてのそれがおいしくて、みんなで何枚も食べた。
 その家の娘さんがフランスに嫁いでパリに住み始めたので遊びに行ったら、「ちょんぼろ焼き」を作ってくれた。
 パリの夜に食べる「ちょんぼろ焼き」って、なんだかシュールだったけれど、実家の味そのままでちょっときゅんとした。

 あれってあの家だけのものだったのかな?と思っていたら、阪神百貨店の下の有名ないか焼きの近くの店に「ちょぼ焼き」というものが売っていて、かなり近いということがわかった。そちらはさすがにデパ地下、天かすとかこんにゃくとかいろいろ入っているけれど、ふわっとしている感じはよく似ていた。
 具が良ければどんな高級なものでもできるし、具なんてなくてもおいしくいただけるっていうのは、粉もんの極みだなと思う。

元祖ちょぼ焼き https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27009988/
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