連載「あの人、そのレシピ」
四人目、サモハンくんのカオマンガイ
あの人が作る、記憶に残るあの料理。
親や友人、身近な人々の料理にお金を払ったりすることはないけれど、
お店では食べられない味と空気が確かにそこにある。
人とレシピ、そしてその背景を僕の目線で記録することにした。
(取材・写真・文=濱田晋)
サモハンくんのカオマンガイ
サモハンくんはDJサモハンキンポーとしてダンスミュージックシーンで暗躍しながら、ソウルバンド「思い出野郎Aチーム」でパーカッションを担当している。
届け物をするついでに、手料理食べたくて自信作をリクエストした。
いざ、初夏の陽が差す福生市へ。
濱「今日はなぜカオマンガイに?」
サ「大学時代にカオマンガイの屋台やってるお姉さんと知り合って。一緒にレイブパーティー廻ったりしてたんですよ。ノブさんてお姉さんがやってるメイノブ食堂ってとこなんですけどね。で、ノブさんのカオマンガイ食べた時にめちゃめちゃ美味くて」
濱「俺カオマンガイって食べた記憶もほぼないくらいの料理なんすけど、サモハンくんは昔から好きなの?」
サ「そうすね。タイにも行っていろんなとこの食べたりして。でも初めて食べたノブさんのカオマンガイがダントツで美味い」
濱「レシピは?」
サ「タイ人の友達の参考にしたり、それこそノブさんの参考にしたりですね」
濱「その生姜のやり方はノブ姐の?」
サ「これはYouTuberすね。料理のYouTubeよく観るんすよ。家族のごはんも3食自分が作ってるし、料理すきですね」
濱「関係ないけどさ、思い出野郎Aチームはどういう経緯でできたの?」
サ「大学時代の同級生で。JAZZ研究会でJAZZ出来ない人達でソウルとかファンクやろうみたいな感じでやってたら、なんかいい感じ~みたいな」
濱「いいなぁ~。あ、その酒呑みながらな感じ良いすね」
サ「フフフフフ。これで油に生姜とニンニクの香りを移します。この一手間が美味しさの秘訣です!」
濱「そのタレはカオマンガイの為だけに作るの?」
サ「ご飯にかけなくても茹で鶏にかけるだけでも良いおつまみになるし、餃子とかにも合いますね。あれ? 大根あったよね?」
濱「大根どうするの?」
サ「スープに使います。ほんとは冬瓜とかなんですけど、今の時期あんま無いんで」
濱「あーマジで美味そう。ないとは思うけど、ノブさんこの連載見てくれるかもしれないから、何かメッセージあれば」
サ「お元気でしょうか? その後幾度となくカオマンガイを作り、食べ歩きましたがあなたのカオマンガイを超えるものにまだ出会えていません……」
Cooking by Gen Matsushita (OYAT)
Photo, Interview & Text by Shin Hamada
Edit by Yoshiki Tatezaki with Assistance by Rin Inoue
- Photographer
濱田 晋 / Shin Hamada
1987年 兵庫県出身
主にポートレイト、ドキュメンタリー、取材の分野で撮影を行う。2022年より思考実践『HAMADA ARCHITECTS™️』を始動。
shinhamada.com
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