連載「あの人、そのレシピ」
六人目、吉田くんの餃子
あの人が作る、記憶に残るあの料理。
親や友人、身近な人々の料理にお金を払ったりすることはないけれど、
お店では食べられない味と空気が確かにそこにある。
人とレシピ、そしてその背景を僕の目線で記録することにした。
(取材・写真・文=濱田晋)
吉田くんの餃子
時は来た。吉田くんの餃子を食べる時が。
最寄り駅のコンビニでビールとアンパンマングミを買ったなら、目指すは白い立体だ。
濱「吉田くん料理するんすね」
吉「料理割と好きで。無心になれるじゃん」
濱「それ他の人からも聞いたことあるけど、全然わからないのよねその感覚。椎茸入れるのね」
吉「あ、椎茸ダメ?」
濱「食べられるよ。餃子に椎茸って珍しいのかなと思って」
吉「色々試してみたんだけど、椎茸・ニラ・挽肉の3つだけに落ち着いた」
濱「へ〜キャベツとか入れないのか。てか餃子は昔から好き?」
吉「昔から好き。実家はホットプレートで焼いて熱々のまま食べるのね。それも好きで。一人暮らしの時に最初に買ったのはホットプレート」
濱「こだわりなのね。吉田餃子は家族にも好評?」
吉「もうね、娘が大好きで。むっちゃ食べるんす。食べるの大好きで」
濱「可愛いなぁ〜。何歳になった?」
吉「3歳になりました。あ、餃子なんだけどこだわりがありまして。大根おろしとめんつゆで食べます」
濱「え! それは初めて! 良いね〜。実家の食べ方なの?」
吉「いや、前にデザインで携わってた料理雑誌の誌面に載ってて。大根おろしもめっちゃ好きだから良いなと思って。じゃ、包みます。このヘラはたなちゅう(スタッフ)がプレゼントしてくれたんですよ」
濱「たなちゅうの為にも撮っとこう!」
(包みと焼きを経て、いざ。)
濱「ワインと餃子も良いね! いや〜美味そう。あおちゃん、どう?」
青「めんちゅゆかけたぃい〜」
Cooking by Syohei Yoshida @heiyoshida
Photo, Interview & Text by Shin Hamada @shinhamadastudio
Edit by Yoshiki Tatezaki
- Photographer
濱田 晋 / Shin Hamada
1987年 兵庫県出身
主にポートレイト、ドキュメンタリー、取材の分野で撮影を行う。2022年より思考実践『HAMADA ARCHITECTS™️』を始動。
shinhamada.com
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