エリックサウス稲田俊輔が解き明かす!
家カレーの新基軸、「野菜をMOTTO」シリーズの実力
累計260万個を超える大ヒットを記録*する人気カップスープブランド「野菜をMOTTO」より、カレーシリーズがリリースされているのを知っているだろうか。一般的なレトルトカレーや冷凍カレーとは出自が異なるだけに、意外な方向性で開発されたカレーはクオリティがおそろしく高い!とコアなファンから熱く支持されている。
※2017年~2021年時点での販売数
「野菜をMOTTO」のカレーシリーズ。左から、<北海道産「金時豆」と国産野菜の挽き肉たっぷりスパイスチリコンカンカレー>、<九州産「たけのこ」と国産野菜と蒸し鶏のピリッと旨辛グリーンカレー>、<緑黄色野菜たっぷり まろやかスパイシースープカレー>。
その真意と実力を徹底解剖すべく、人気南インド料理店[エリックサウス]総料理長の稲田俊輔氏の門を叩いてみた。自身もレトルトカレーを販売する同業者でもあり、出演はNGかと思いきや「この味には驚きました」と異例のオファー快諾。圧倒的な「カレー脳」で紐解くカレーの魅力を、ここに紹介しよう。
(本記事はRiCE30号「タイカレーの真実」特集での掲載内容を、WEB用に再編集しています)
稲田俊輔
料理人・飲食店プロデューサー。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て、現在は南インド料理店[エリックサウス]で総料理長を務める。文筆家としても才能を遺憾なく発揮。近著に『ミニマル料理: 最小限の材料で最大のおいしさを手に入れる現代のレシピ85』(柴田書店)
稲田さんといえば、[エリックサウス]総料理長にして、独自の調理理論を探求・体系化したレシピ本の著者としても知られている。唯一無二の感性で書き上げる食エッセイも話題、さらには小説まで手がける人気作家の顔もある。
そんな言語化の鬼、ともいえる稲田さんが「既存のカレーとは全く違いました」と高らかに言い放つのが「野菜をMOTTO」のカレーシリーズだ。稲田さん、一体何が違ったんですか?
「圧倒的に野菜の素材感がフレッシュでした。どうしても具材とソースが一体化してしまいがちだけれど、具材ひとつひとつが際立っていて。食べている時間がすごく楽しかった」
仕事柄、自宅では料理の試作をすることが多いという稲田さん。昨日もビーフカレーの試作をする日だったよう。「自分が作ったカレーがありつつ、一緒に『野菜をMOTTO』のカレーシリーズ三つを並べていただいたんです。でも僕が作ったカレーと、全く温度差がなかった」。それはカレーシリーズが、「料理がうまい家庭の人が作った味だから」と稲田さんは評する。
すでにカップに入っているから湯煎する必要もなく、レンジで加熱するだけで本格的なカレーにありつける優れもの。「このレベルのカレーが常温で保存できるのはすごくありがたいです」(稲田さん)。家に常備しておいたらかなり心強い。
ECサイト、日本橋三越本店、静岡本店、静岡パルシェ店、遠鉄店の実店舗で購入可能だ。(¥594)
yasaiwomotto.jp
「レストランでも加工品でも、最初のインパクトはおいしいけど、後半進んでいかないな、というのはよくあって。でも『野菜をMOTTO』のカレーシリーズは、最後の一口までずっと美味しさが持続する味の仕立てが秀逸でした。飲み干しちゃいましたもん(笑)。お店の味と違うし、既製品らしくもない。じわじわ美味しいカレーなんですよね」
そんな異例のカレーたちを個別に紹介していこう。まずスープカレーだが、こちらは「南インドにあるコランブという料理にすごく近い。かなり本格的な味だと思う」と大絶賛。
緑黄色野菜たっぷり まろやかスパイシースープカレー
現地の南インド料理を彷彿とさせる本格的な味わい。もう一手間加えるならば、「マスタードシードやカレーリーフをテンパリングして入れてもいい。フレッシュなパクチーを載せる方法も、手っ取り早くておすすめ」
一番パンチのあるチリコンカンカレーは、食べている時に頭に思い浮かんだフレーズまであるようで…
「ズバリ“豆を制する者は野菜料理を制す”です。野菜メインの料理だと豆の使い方で決まる。このカレーはお肉も入ってるけど、豆の主役感がとてもいい」
北海道産「金時豆」と国産野菜の挽き肉たっぷりスパイスチリコンカンカレー
「ほんとに食べる手が止まらない。食べ進めるごとに、じわじわ美味しくなってくる」と稲田さんも大絶賛。金時豆、レンズ豆、大豆、コーンがたっぷり入った、豆を心底美味しく食べるカレー。食べ応えも満点だ。
グリーンカレーは塩分比率に着目。「普通塩分は1.5%ぐらいが多いけど、これは1%を切っていてかなり低い。グリーンカレーって辛いし、ココナッツミルクのこってりした甘さとバランスをとるためにしょっぱめにするのがセオリー。でも敢えてそれをやってない。レンズ豆でコクを足したり、野菜を効果的に使ってる」
九州産「たけのこ」と国産野菜と蒸し鶏のピリッと旨辛グリーンカレー
ハイレベルな商品がひしめくグリーンカレー市場だが、「既存のものにはない魅力に溢れている」と高評価だった。バイマックルーはそのまま入れず、抽出した滲出液を加えていることで香りを残したのも、おいしさの秘訣。
三種のカレーをはじめ、今までにありそうでなかったカレーを展開する「野菜をMOTTO」シリーズ。今後も我々の想像を超えたカレーを誕生させてくれそうだ。ぜひ定期的にウォッチしてみてほしい。
Photo by Norio Kidera
Edit &Text by Shunpei Narita