低温発酵による青リンゴのような香りがソーダに合いすぎる焼酎
芋焼酎「彩響」コラボレーションメニューが渋谷[IGOR COSY]に登場
渋谷・Bunkamuraから道玄坂上へとつづく路地を入ったところにある[IGOR COSY 渋谷本店]は、居心地のよい居酒屋にフレンチのエッセンスをプラスした人気店。2020年のオープン当初から日本のクラフトスピリッツに目を向けてきた同店だが、このほど芋焼酎「彩響」とペアリングするコラボレーションメニューを期間限定でスタートさせた。
「彩響」は、1936年創業、鹿児島県枕崎市の有名焼酎蔵[薩摩酒造]が昨年リリースした芋焼酎。“新感覚”と謳う理由は、その爽やかな香りによるリフレッシングな飲み心地にある。
青リンゴのようなフレーバーの秘密は、本格芋焼酎としては初採用となった清酒酵母を使用したこと、そして低温発酵だという。
清酒酵母はいくつもの酒類酵母の中から選び出したもので、この特徴を引き出すために必要だったのが低温でのもろみ発酵だった。南国・鹿児島において、この15℃前後の低温を維持することは人為的には限界がある。したがって「彩響」の仕込みは、寒い1〜3月だけしか行うことができないという。
新しい発想と職人の試行錯誤によって生まれた「彩響」は、これまでの芋焼酎の枠を超えた食との掛け合わせを可能にした。そのフレーバーに大きく頷き、コラボレーションメニューの提供を開始(3月12日〜6月中旬予定)したのが、[IGOR COSY]だ。
[IGOR CORY 渋谷本店]店長の山田敬一朗さんがレシピを考案。「まず炭酸割りを試してください」と、シェイカーで彩響をしっかりと冷やし、ワイングラスでソーダアップしてくれた
シェイクによってやや白濁しているのも、視覚的な冷涼感につながる
牡蠣大根・ディル風味
それではコラボレーションメニューとして提供されている3品をご紹介。
一品目は「牡蠣大根・ディル風味」から。
殻のまま少し蒸した牡蠣を開いて、すし酢でマリネ。この甘さのある酢の味付けが、旨味の強い牡蠣をまろやかに食べやすくしている。トッピングには大根おろしとスライスした青リンゴ、そしてディル。味の変化とまとまりが両立していてとても美味。
青リンゴのフレーバーを持つ「彩響」との相性は言わずもがな。香りを楽しみながら、爽快に焼酎を飲み進められる。
鶏胸肉のガランティーヌ・蕗味噌
柔らかい鶏の胸肉を使ったハムのような冷菜ガランティーヌは、炭火の香りをまとってまさに居酒屋×フレンチな味わい。爽やかな側面が注目される「彩響」だが、苦味との相性もいいことを見抜いた山田さんがソースとして使ったのは、蕗味噌。「蕗単独ですと苦すぎるのですが、甘辛い蕗味噌にすることで食べやすいバランスに仕上がりました」と山田さん。
2杯目は、これもおすすめの飲み方だという、ミントとライムを入れた炭酸割りで。ライムの果肉は酸味が強すぎるのであえて皮の部分だけを使用し、爽やかな香りを引き上げている。
雲丹焼売 ライムリーフの香り・春菊酢醤油
[IGOR COSY]の名物メニューである雲丹焼売に、「彩響」との相性を考えた春菊酢醤油を。細かく刻まれた肉餡は歯切れがよく、一つ食べるのがあっという間に感じるほど。春菊の香りがよく馴染む酢醤油は、飲み口が軽い「彩響」の特徴をよく感じさせてくれる。
山田さんが本格焼酎を本格的に飲み始めたのはこのお店がきっかけだったのだそう。それまではワインをメインに扱っていたが、今は家ではもっぱら焼酎だという。
「家では色々な焼酎の飲み方をしています。例えば、お湯割りにしたものに氷を入れて、徐々に冷めていくのをゆっくり飲む。アルコールが少し和らぐので飲みやすいです。焼酎は楽しみ方の幅がある分、馴染みのない人はわからないと思ってしまうことも多いと感じています。今回は、焼酎を長年造っていらっしゃる薩摩焼酎さんとコラボレーションができて嬉しいですし、少しでも焼酎の良さが伝わればと思っています」
ぜひこの機会に焼酎の美味しさと出会ってみては。
炭焼居酒屋 IGOR COSY 渋谷本店
東京都渋谷区円山町1-3
03-5456-5230
17:00〜23:00(フードLO 22:00/ドリンクLO 22:30)
月曜定休(月曜祝日の場合は翌日の火曜休み)
IG @igorcosy.shibuya居酒屋 IGOR COSY 神泉
東京都渋谷区円山町18-6
03-6455-1720
17:00〜23:00(フードLO 22:00/ドリンクLO 22:30)
月曜定休(月曜祝日の場合は翌日の火曜休み)
IG @igorcosy.shinsen「彩響」コラボレーションメニューは6月中旬まで展開予定。
3月18日(水)までにご来店の方には「彩響」ミニボトルのプレゼントあり!
メニューは季節により変更・終了となる場合があります。Photo by Mana Kimura(写真 木村真奈)IG @kimura_mana_
Text by Yoshiki Tatezaki(文 舘﨑芳貴)