Neki × ザ シングルトン Special Event Report
料理と合わせてさらに味わい深い! モルトウイスキー「ザ シングルトン」の多彩さをペアリングで体感
ペアリングの新しい軸となるウイスキーカクテル
料理とドリンクを合わせて互いを引き立てる「ペアリング」。すっかり浸透した愉しみ方ながら、ワインではなく、ウイスキーのペアリングを体験したことはあるだろうか?それもウイスキーの個性が明確に表れるシングルモルトで。
未知なるペアリングを体験するべく、地上38階、渋谷の街に浮かぶようなレストラン[STEREO]で、2024年11月12日、「ザ シングルトン ダフタウン 12年」のペアリングイベント「The Art of WHISKY PAIRING」が開催された。
「ザ シングルトン ダフタウン 12年」は、スコットランドのスペイサイド中心部にあるダフタウン蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキー。ナッツの香りや豊かなフルーツのような味わい、クッキーやキャラメルのような甘味が特長だ。
「ウイスキー、しかもシングルモルトと料理が合うの?」なんて思うなかれ。
そこで、フードカルチャー誌『RiCE』編集部が企画・運営し、食好きなゲストにペアリングディナーを実際に体感してもらうというわけである。
料理とウイスキーカクテルを手掛けるのは、東京・日本橋[Neki]のシェフ・西恭平さんだ。普段、自身のレストランでは、イノベーティブな料理とナチュラルワインのペアリングを提案しており、ウイスキーと合わせるのは今回が初めての挑戦だという。
「僕の料理は“日本人がつくるフランス料理”をテーマに、和の食材や技法を取り入れています。ウイスキーペアリングは初めてで、わくわくして取り組みました。試していくうちに、ペアリングの可能性がどんどん広がっていきました。今夜は、シングルモルトのペアリングという新しい世界をフルコースで愉しんでください」
フレンチの名店・新宿[キュイジーヌ・S・ミッシェルトロワグロ]を経て、2014年より渋谷[ビストロロジウラ]へ。2020年に独立し[Neki]を開業。店名は、関西地方で使われる方言で「そば・かたわら」の意味を持つ「根際(ねき)」から命名。本当に美味しいと思うものをビストロのようなカジュアルな雰囲気で愉しめるイノベーティブレストランを体現。22年に薪火料理・世田谷代田[songbook]、24年にはバーテンダー・野村空人さんとタッグを組んだ新しいスタイルの居酒屋・虎ノ門[Uké]をオープン
「ザ シングルトン15年」のテイスティングから5皿のウイスキーペアリングが始まる
華やかな装いのゲストたちにまず振舞われたのは、今年11月5日にリリースした「ザ シングルトン ダフタウン15年(写真左)」のストレート。これまでの定番品「12年」よりも熟成年数が長く、さらに甘美なアロマと新鮮なフルーツの香り、豊かな余韻が広がる。
グラスに口をつけたゲストの笑みからも、そのおいしさが伝わってくる。そしていよいよ、1皿目の料理とウイスキーカクテルが提供される。
1ペア目は「テットフロマージュ/ジャガイモ/アンチョビ」と「ザ シングルトン12年」黄柚子のハイボール。ハイボール×ポテトチップスから着想された組み合わせで、豚の脂やサワークリームのコクや旨味と、黄柚子が爽快なハイボールが相乗する。
武居詩織さん(ファッションモデル)は、「脂の旨味をハイボールがすっきり流してくれます。ウイスキーはアルコールが強いイメージがありましたが柑橘が加わることでこんなに飲みやすくなるんですね!」と拍手。
隣席の椎名美⽉さん(モデル)も大きくうなずく。「お酒は好きでよく飲みますが、ハイボールは得意ではありません。でもこんなに飲みやすいなんてびっくり。お料理を邪魔しないどころか、爽快感が増して軽やかに食べ進められます」
ハイボールに限らず、[ザ シングルトン]のさまざまな飲み方に驚くゲストの姿が印象的だった
2ペア目の魚料理「平目/牛蒡/生姜」と「ザ シングルトン12年」タイムのソルティドッグが登場。“海のミネラル感”と“旨味”、牛蒡の“土っぽさ”の組み合わせが、ソルティドッグのグレープフルーツの果実味と塩気と抜群に合う組み合わせだ。
Netflixで話題の恋愛リアリティシリーズ 『ボーイフレンド』に出演したKazutoさん(和食料理人)は、こんな感想をもらす。
「計算しつくされたバランスです……! 別々に味わってもおいしいですが、一緒に口にするとペアリングの意図がよくわかります。普段、和食の厨房に立っているので、お刺身とは日本酒、焼酎を合わせることが多く、新しい組み合わせが刺激になります」
3ペア目には温菜「フォアグラ/松茸/鰻」と、「ザ シングルトン12年」ラプサンスーチョンお湯割り。4ペア目に肉料理「加藤ポーク/チポトレ/鱈」と「ザ シングルトン12年」紅茶カクテル。そして、5ペア目にはデザート「タタン/無花果」と「ザ シングルトン12年」アマレットが提供された。
「フォアグラ/松茸/鰻」と「ザ シングルトン12年」ラプサンスーチョンお湯割り
洋風茶わん蒸しのごときフォアグラのフランに、きのこのジュースを鰹出汁で割り、鰻のたれを合わせた餡がのる。紅茶の茶葉に松葉を燻した煙をまとわせた紅茶、ラプサンスーチョンと「ザ シングルトン」を合わせる
「加藤ポーク/チポトレ/鱈」と「ザ シングルトン12年」紅茶カクテル
旨味の強い加藤ポークのロースを柔らかく火入れしたメイン料理。スモーキーな風味をもつ燻製唐辛子の「チポトレ」と胡桃を合わせたコンディマン(ペースト)が、豚肉の旨味を凝縮させたソースにさらなる旨味をプラスする。合わせるカクテルのビジュアルは、もはや赤ワイン! 黒ぶどうやラズベリー、クランベリー、ビーツ、和紅茶を合わせたノンアルコールの自家製のモクテルに「ザ シングルトン12年」が加えてある
「タタン/無花果」と「ザ シングルトン12年」アマレット
アマレットバターと砂糖、シナモンやクローブといったスパイスと共に煮詰めたリンゴに、イチジクの葉から風味を引き出したバニラアイスをトッピング。仕上げに「ザ シングルトン12年」をスプレーし、香りをまとわせる。アプリコット(杏)の種の中にある「杏仁」を原料にしたリキュール「アマレット」と「ザ シングルトン12年」を1:1で割った一杯と共に
著名なミュージシャンのアートディレクションで知られるとんだ林蘭さん(アーティスト)からはこんな感想が聞かれた。
「すべてベースのウイスキーは一緒だというのに、まったく飽きずに飲み進められました。3ペア目の温かいカクテルを飲んだ時、一回リセットされたような感覚に。和の要素が感じられて脳が疲れすぎません。ほっこりした味の組み合わせなのもいいですし、食べなれた食材とウイスキーがこんな風に合うんだとゆったり愉しめました」
ほかにもゲストからはこんな感想が聞かれた。
「自宅に炭酸水メーカーがあって、普段はハイボールばかり。子供を寝かしつけた1日の終わりに飲みます。乾杯で味わった『15年』は奥行きがあってストレートで十分おいしかったですし、『12年』の数々のカクテルも初めての味わい方でウイスキーのよさをあらためて感じました」 (ミュージシャン・ラッパー 環ROYさん)
「ウイスキーとフレンチを合わせるイメージがなかったので衝撃の連続でした。驚くくらいすいすい飲めて、料理と相乗していて、すべてが感動的でした」(俳優・ミュージシャン 古舘佑太郎さん)
「味も食感も複雑な料理ばかりだったのに、ドリンクと合わせるとすべて調和してしまったのがすごい。意外性があって驚きましたし、とてもおもしろい体験でした」(ミュージシャン 森 夏彦さん)
「すべての組み合わせが素晴らしかったですね。特に3ペア目の相性に度肝を抜かされました。ラプサンスーチョンのカクテルとマツタケがすごく合う! 口の中で土瓶蒸しが完成しました(笑)」(ジュエリーデザイナー 大久保俊さん)
「2ペア目の料理の盛り付けが神秘的で特に惹かれました。あえて塩気を抑えた料理にソルティドッグを合わせることで完成する感じがマジカルです!」(編集者 大平かりんさん)
音楽を担当したのはDJ 、Lil Mofo(リル・モフォ)さん。より豊かなディナーが過ごせるよう、耳心地のいいソウルやレゲエで華をそえる
西シェフと田中 開さんが語る「ザ シングルトン」とウイスキーペアリングの魅力
最後のデザートが提供される頃、『RiCE』編集長・稲田浩が進行のもと、レモンサワー専門店 新宿[OPEN BOOK]や新宿一丁目[OPEN BOOK 破]、日本橋のホテルK5内のバー[Bar Ao]を経営する田中 開さんが登壇。西シェフとウイスキーペアリングをテーマにしたトークイベントが始まった。耳を傾けてみよう。
西:ウイスキーペアリングと聞いたとき、ウイスキーはスモーキーでアルコールもインパクトも強い印象で、ペアリングのハードルが高いのでは?と思っていました。でも「ザ シングルトン」を飲んでみて、白い花の香りやフルーツを思わせるフレーバーに「これはいけそう」と思いました。愉しんで取り組めましたし、僕としてはいい仕上がりになったと思います。
田中:シングルモルトでペアリングなんて考えたこともなかったです。 唐揚げ×ハイボールのイメージしかなかったので、今日はひたすら揚げ物が出てくるかと思っていました(笑)。実際は全然違う世界観で、1杯目の黄柚子のハイボールからしてよかった。ウイスキーの中には、アロマの表現として食べ物じゃないものも上がることがあるけれど、「ザ シングルトン」はフルーツやナッツといったエディブルなワードばかりなのも特徴的。いろんな食べ物と総じてマッチしそうです。つくってみて、とくによかったペアは?
西:ソルティドッグと平目の昆布締め、海藻、牛蒡を合わせた料理は気に入っています。
田中:すごくよかった。ウイスキーをベースにしてもあんなにいけるんだと。バーでも使えそうです。
西:フォアグラのフランと松茸の料理とラプサンスーチョン割りも旨味が詰まるひと皿で、よいと思っています。
田中:スコットランドの土瓶蒸しってイメージですよね。僕は4ペア目の赤ワインにしか見えないカクテルもよかったな。豚肉と食べるとフルーツソースと化して成立していました。それでいて、ウイスキーのキレのよさがあって、また次のひと口が食べたくなってしまう。「ザ シングルトン」とアマレットと合わせておいしくなるのも発見でした。今度バーでウイスキーを頼んだ時に、「アマレット1滴たらしてください」なんてリクエストしてみようかな。「あいつ何者だ⁉」ってなりますよね(笑)
西:ウイスキーペアリングをやっていて、今までになかった選択肢が増えて可能性が格段に広がりました。
田中:こういうイベントの時って、みなさん飲み残してしまうことが多いのですが、今見てみるとちゃんと飲み干していますね。
西:提供側がアルコールの濃淡もコントロールできるので、飲み疲れないのでしょう。
田中:紅茶割りひとつとっても、割合を変えたら印象もだいぶ変わりますもんね。料理とドリンクが口中で一体になって完成するということを考えれば、当然、ワインだけに限らなくてもいいわけですよね。かといって、ウイスキー全般が合うというわけでもなく、「ザ シングルトン」は繊細で柔らか。和食にも合いそうな穏やかさがあります。これからのガストロノミーに欠かせない1本になるのではないでしょうか。
初めての食体験の興奮を帯びたままに、スペシャルディナーはおしまいを迎えた。一夜限りのイベントながら、ゲストたちはこれからウイスキーがペアリングの軸になっていくことを実感。ウイスキーペアリングという新しい幕開けを感じる夜となった。
「ザ シングルトン」に関する問い合わせ先
ディアジオ ジャパン
03-3470-8287
Photo by ami (写真 ami)
Text by Yumiko Numa (文 沼由美子)
Edit by Shunpei Narita (編集 成田峻平)
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