好きな店とそのために作ったTシャツの話。

エールフランス。「エルフラ」って略すと小慣れてる感がある、言わずと知れたフランスの航空会社。

一般的に航空会社の良し悪しはその安全性はもちろん、サービスのクオリティ、時間の正確さ、環境配慮などいろんな点から評価されるだろうけど、わたし個人としてはクリエイティブまわりであれだけ長けている航空会社は珍しいなという気持ちで、エールフランスを高く評価している。

たとえば10年ぐらい前に展開されたグローバルキャンペーン「France is in the air」シリーズ。カラフルなアートワークによるファッションフォトばりのキャンペーンビジュアルや、ブランコでゆらゆらしてるだけで航空会社としての快適さを情緒的に表現した映像、ちょっとしたMVのような世界観のベリーキュートなセーフティビデオなど。当時とんでもなく度肝を抜かれた記憶がある。

そしてなにより、これでもかというぐらいにシンプルで明快なトリコロールカラーのロゴデザイン。2009年に現行のロゴにリニューアルされ、少し洗練された印象になったけど、わたしが好きなのはリニューアル前の旧ロゴ。少し重みを感じるボテっとした旧ロゴは、今見ても70’sのフランスのムードを感じさせる絶妙なバランス感で設計されていた。

そんな、クリエイティブまわりで長けている、エールフランス。

このエールフランスの旧ロゴへの愛とリスペクトをベースに作ったのが、恵比寿にある大好きなワインスタンド［Winestand Waltz］（以下、Waltz）のためのTシャツ。

作ったのは、もうかれこれ6年ぐらい前だけど。今でこそ市民権を得た（と、思いたい）［Waltz］のデ○ズニーグラスも、このエールフランスの旧ロゴサンプリングのTシャツをWaltzの大山さんが気に入ってくれたことがきっかけで作ったものだ。AIR WALTZ以降、いろんなサンプリングアイテムを大山さんのスタッフTとして作っているうちに、勝手に作ったデ○ズニーロゴもいつの間にかお店のグラスでも使ってもらうようになった。

エールフランスロゴでWaltzのTシャツをデザインしたのは、もちろん大山さんがとてもフレンチな人だからだ。なんてったって、インスタでWaltzをタグ付けしてUPしてくれたお客さんのポストには「Merciございました」と毎回律儀にコメントするぐらい。少し前に、フランスのバンド・Phoenixのメンバーが来店して、大山さんはえらく興奮していた。こういう純粋なフレンチ気質の大山さんに着てほしいな、と思って作ったのが、このTシャツだった。

Waltzはわたしなんかが今更語るまでもなく、とにかく素晴らしいワインスタンド。もしも行ったことがない人がいるのなら、大山さんがセレクトするナチュラルワインと、そして何より大山さん自らが作る四季折々のケークサレを楽しんでいただけたら。

いきなり始まりましたが、こんな感じで好きなお店とそのお店のために作ったTシャツの話をしばらく連載予定です。

どうぞお手柔らかによろしくお願いします。