朝食の時代
豪徳寺[ソーセージパーク]で味わう、サンドイッチモーニング
RiCE.press編集部が、楽しい朝の時間を過ごせるお店を特集するシリーズ「朝食の時代」。美味しい朝食を求め降り立った豪徳寺駅は、新宿から小田急線で約15分とほど近い。それでいて、“眠らない街”新宿とはまったく違う、閑静な空気感が漂う。駅の南北に伸びる商店街には、昔ながらのお店やお洒落なカフェが立ち並んでいる。商店街を横目に梅ヶ丘駅方面へと10分ほど歩くと、レンガの外壁とガラス張りの扉が特徴的なアパートが見えてきた。この一階にあるのが、今回のお目当ての朝食がある[ソーセージパーク]だ。
Breakfast 2|ご近所さんに愛されるたまごトーストセット
ガラス張りの扉から中を覗いて見えるのは、大きなテーブルとその上に並ぶたくさんのフィギュアたち。アメリカンダイナーのような空間に朝から気分が上がる……。
コインランドリーの跡地に昨年6月オープンしたというこのお店。店名からホットドッグのお店かと思いきや、主役はボリューム満点&個性豊かなサンドイッチ。ここでしか味わえないサンドイッチを求め、お昼時ともなればお客さんが絶えず訪れる。
[ソーセージパーク]のサンドイッチの特徴は、なんといっても胃袋も心も満たしてくれるボリューム感! 片手で手軽に食べられるそれとは違い、両手で、そして大口で豪快にかぶりつくのに相応しい。そして何層にも重ねられた具材たちは色鮮やかで、綺麗な断面には感動すら覚える。
季節ごとに変わるバリエーション豊かなメニューは、お客を飽きさせない。昨夏は、「B. G. C. S.(ベーコングレープフルーツコールスローサンドイッチ)」や「夏野菜タンドリーチキン」などを提供。アルコールドリンクやおつまみもあるから、朝から一杯やるのもアリ
ご近所さんたちから特に愛されているのが、朝8時から10時までのモーニングメニュー。
「モーニングは“ご近所さんに対するサービス”としてやっています。正直、普通のサンドイッチはどうしても1,000円超えちゃうものが多いです。でも、こういうローカルな場所でやる目的って地元の人をメインでやることだと思っています。1,000円超えのサンドイッチだと毎日は来てもらえない、何かできないかなと思いました。そこで、ドリンクセットでモーニングをやろうと決めたんです。基本的にモーニングで使う食材はその後のメニューと併用できるものなので、850円という値段、ここだけはキープしたいと思っています。地元の人には時間潰しくらい気軽に使ってほしいですね」
こう語るのは店主の渡邊雅幸さん。代官山からサンドイッチブームを牽引し、2020年に惜しまれつつも閉店したサンドイッチ店[キングジョージ]で腕を振るっていたという経歴の持ち主。サンドイッチ愛溢れる渡邊さんがつくるモーニングは、Aセット(ソフトドリンクセット)と冬季限定のBセット(スープセット)の2種類。この日は定番だというAセットをつくっていただいた。
店主の渡邊雅幸さん。[キングジョージ]でサンドイッチの極意を、その後、三軒茶屋の居酒屋[マルコ]では出汁の基本を学んだという。渡邊さんの気さくな人柄に惹かれ再訪する人も少なくないはず
Aセット(たまごトースト&ドリンク、¥850)。冬季限定のBセット(目玉焼き&トースト&スープ、¥1,000)は只今お休み中だが、近々復活予定(詳細はInstagramにて)
定番モーニングのAセットには、主役のたまごトーストと3種の副菜が盛られている。三角トーストには甘めに仕上がったとろとろのたまごサラダが挟まっていて、自家製のマヨネーズからほんのり感じる酸味が良いアクセントになっている。脇役の付け合わせは日替わりとのことで、この日はキャロットラペとアーリーレッドのマリネ。箸休めになるよう、全体的に酸味を効かせているというサイドたちは、甘めのたまごトーストと相性抜群。見た目も味も栄養も、全てにおいて完璧とも呼べそうなバランスのワンプレート。理想の朝食がここにあった!と声が出そう。
朝からがっつり食べたい!という人には、朝8時から楽しめるグランドメニューがおすすめ。開店当時からの定番メニュー「自家製サバサンド」は、渡邊さんのこだわりが光る。よく見かけるサバサンドは焼かれたサバがそのまま入っているのに対して、[ソーセージパーク]で味わえるのはツナマヨから発想を得た新しいサバサンド。油でじっくり火入れしてから細かく潰したサバを、クミンや粒マスタードで味付けしている。
自家製サバサンド(¥1,400)。サバ、パクチー、アーリーレッド、トマト、チーズ、レタスを黒糖パンでサンド。クセになる味わいで食べ応えも抜群!リピーター続出の人気メニュー
「ビールも一緒に合わせて飲んでほしいので、お酒に合う味付けにしています」と渡邊さん。
お酒の肴としても最高なサバをサンドするのは、クセのある食材と相性が良く、深みのある甘さが特徴の黒糖パン。言わずもがな、サバサンドとハートランドの組み合わせは最高の一日をスタートさせてくれるに違いない。
アメリカン雑貨に木彫りの熊、サンドイッチの本など、渡邊さんのコレクションが楽しい空間をつくっている。自身で作成したというお店のステッカーもある
渡邊さんの好きが詰まった店内には、これまでに集めたというコレクションが至るところに。ポップでアットホームな雰囲気はとても居心地良く、大きなテーブルの席にはカップルや家族連れ、カウンター席には渡邊さんと会話を楽しむ常連さんが。
世田谷の静かな住宅地に佇む[ソーセージパーク]は、朝から食事と会話を楽しむお客で賑わっていた。ローカルな土地で愛されるモーニングを求め、いつもより少し早起きをして楽しい一日をスタートしよう!
ソーセージパーク
東京都世田谷区赤堤2-17-8(Google Maps)
8:00〜18:00(L.O.17:00)
※定休日はInstagramご確認ください。
IG @sausage_park2024
Photo by Kumi Nishitani(写真 西谷玖美)IG @___umum
Text by Megumi Bunya(文 文屋めぐみ)
Edit by Yoshiki Tatezaki, Shunpei Narita & Sakuroka Nozaki(編集 舘﨑芳貴、成田峻平、野﨑櫻子)
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