
“あの味”が忘れられない。ロケ弁当録 vol.2
海苔弁の格を上げた、[いちのや]のお弁当
「今日のお弁当、何だろう?」フタを開けると、今日の現場が少しだけ特別になる。どこか懐かしい味、しみじみ美味しい一品、そして時々、意表を突かれる組み合わせ。ただお腹を満たすだけじゃない。お弁当には、作り手の心遣いや、ちょっとした驚きがある。この連載では、そんな“記憶に残るロケ弁”をひとつずつ、味わっていきたい。
きちんとボリュームがあって、しっかりおいしい。そんな2大欲望を叶えてくれるのが、[いちのや]の海苔弁だ。パッケージ中央に大きく記された「海苔弁」の文字。その堂々たる風格は、食べれば納得もの。
ぱかっ
蓋を開ければ、まるで巨大涅槃仏のように横たわる磯辺揚げが目に飛び込む。センターにはふっくら肉厚な揚げ魚、香ばしい味噌だれの鶏肉、箸休めの野沢菜漬けやごま油香るきんぴら牛蒡が敷き詰められている。
龍の如く天に伸びる磯辺揚げ。箸で持ち上げるのも精一杯!
おかずの重量感をしっかり受け止めるのが、自慢の分厚い海苔ともち麦入りごはん。ぷちぷち食感のもち麦に、鰹節の旨みが加わり、一口ごとに深みが増す。さらに食べ進めると、ごはんと海苔の間に隠された煮卵が現れるといううれしいサプライズも。
「腹が減っては戦はできぬ」なんていうけれど、この海苔弁があればきっと無敵
そして、気づけば何度も目をやってしまうのが、蓋の裏にぎっしり書かれた素材へのこだわり。たとえばお米。「大粒で美しく噛むほどに優しい甘みとこくを感じられる忘れられない余韻」── 眺めながら食べ進めるうちに、なんだか味わいまで深まる気がしてくる。
ひとつひとつの素材にこだわり抜いたおかずが並ぶ、まさに“高級のり弁”ブームの火付け役。こんな海苔弁、なかなかない。体力勝負の現場でも、この一折があれば間違いなし!空腹という名の敵に、これひとつで挑めそうだ。
この日のお品書き
米
もち麦
海苔
半熟煮玉子
きんぴら牛蒡
野沢菜
とりもも肉の味噌焼き
磯部揚げ
揚げ魚