
おいしい裏話
「何回でも」(RiCE No.40に寄せて)
このお店の変わらなさ、もう20年くらい通ってるけれど、全く同じ味。
そして飽きることが決してない。
うちの子がまだ小さかったときも、友だちが離婚しそうだったときも、その友だちが離婚しなくてすんで、生まれた小さい子といっしょに行ったときも、安定の味。
今回はもう大人になったうちの息子と、息子の友だちもいっしょに行った。みんなでびっくりするほど羊の肉を食べて、スープを飲んだ。
変わらないということはこちらの変化もしみじみとわかるということだ。
そしていつも同じ人が働いている(実際数人は変わらないまま)けれど、新しい若い人もどんどん入ってきて、いっしょに働いている。ああ、なんてありがたいことだろう、ここにあってくれることが。そう思えるので、前も確かリンクを貼ったけれどまた貼ります。
1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞し小説家デビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、95年『アムリタ』で紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞、2022年8月『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。近著に『下町サイキック』がある。