おいしい裏話
「同じレシピでも」 (RiCE No.8) に寄せて
件のお店だが、混んでいてお客さんも各国から来るので厳しいせいか、同じチェーンでも渋谷店のほうがやっぱりおいしい。 ルミネの下にあるとんでもない値段のタピオカ屋は、高いだけのことはあってやはりおいしい。 有名な[春水堂]はミルクティーに対する構えが違うから、そこに関してはやはりおいしい。 そしてうちの子ども、六歳くらいから毎日ほとんど欠かさずタピオカを飲んでいるプロフェッショナルな彼は、下北沢[たぴヤ]がドリンクはともかくとしてタピオカの最高峰だと言う。確かにタピオカだけ取ってみると、台湾に勝るとも劣らない。 ちょっと小腹が減っているが正式な食事まであと数時間ある、という場合、タピオカドリンクはかなりいい。台湾には他にも甘い豆乳や温かい豆乳を売っているところが多く、一人暮らしの若者や朝ごはんを作る暇のない人たちにとってとてもいいところだと思う。
この裏話に出てくるお店: CoCo都可 https://cocofreshtokyo.amebaownd.com 鹿角巷 THE ALLEY http://www.the-alley.jp 春水堂 https://www.chunshuitang.jp たぴヤ tapiya https://twitter.com/tapi_ya?lang=ca
1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞し小説家デビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、95年『アムリタ』で紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞、2022年8月『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。近著に『下町サイキック』がある。