一期一食
002. 北欧はカレーライスでもととのう
昨今サウナブームは、もう説明がいらないくらい市民権を得たように思う。僕も、サウナ歴約20年のプロサウナーの端くれだ(サウナ・スパプロフェッショナルという資格も持っています)。個人的には1週間くらいはサウナで語れるし、語りたいのだが、ご飯とかけ離れてしまうので今回簡単な説明のみにします(いずれ記事書いてみたいけど)。結論から言うと、サウナは現代人が欲していたものと見事に合致していると思う。僕に関して言うと、楽器を演奏すると、特にべーシストは肩と前腕に疲労がたまるので、マッサージやハリなどでメンテをする人も多いのだが、僕は身体を鍛えることとサウナで乗り切っている。マッサージやハリはよっぽど酷使したときのみだ。昨今言われているサウナは、「サウナ→水風呂→外気浴」をセットに、数セット行うことで身体中の血管の拡張と収縮を繰り返し、心身頭をリラックスさせることができるものだ。特に外気浴でゆっくり自己対話しながら、静かに風を感じてゆったり休憩することが一番大事だ。何回か繰り返していくと身体中の力が抜け頭がボケーっとしてふんわりしてくる。それを「ととのう」とサウナー内では呼んでいる。通常、サウナは空腹で入ったほうが効果が高いと言われていて、サウナに入ると、水分・油分・塩分が身体から出るので、サウナ後の食事もとても大事だ。それを僕らはサ飯と呼んでいる。ドラマ「サ道」の影響もあり、都内の主要サウナは連日混雑している。サウナー的には嬉しいようなちょっと困るような……でも癒やされる人が増えることはいいことだと思っている。 今回は、僕の好きなサ飯を紹介したい。ドラマ「サ道」の撮影に使われていた有名なサウナである上野の[サウナ&カプセルホテル北欧]のカレーライスだ。カレーに関しては特に好きな食べ物で、全国食べ歩いているので別でまた探求したいのだが、今回はこのカレーを紹介したい。 最近流行りのスパイスカレーとは違い、手作り感満載の欧風オリジナルカレー。野菜の甘味と肉の旨味が溶けている優しいカレーだと思うと、後味でじんわり辛味もあってサウナ後にはピッタリの味付けだ。静かに汗が出てくるのだ。食べるサウナかな、なんちゃって。サウナ施設はとにかくご飯が美味しい(自分がととのっているから更に)。今年に入ってからは、一人で行くよりも人にサウナを教えに行くために何人かで行くことが多いのだが、サウナは一人か少人数で行ってマイペースにゆったりするのを推進派だ。ボケーッとリハのことを思い返したり、今後のことや、最近思ってることとか頭の整理をしながら外気浴。身体の調子がととのった状態で、少しお酒も飲んだりしながらカレーをまた一口。じんわりと身体中に栄養が行き渡る感覚は格別だ。サウナに入るとデジタルデトックスもできるし、身体が強制的にととのうのでネガティブな気持ちも飛んでいく(北欧ではうつ病の治療に使われるほどだ)。現代人に多い眠りが浅い人にもオススメだ。きっとぐっすり眠れるから。とにかく日々やることも考えることも多過ぎるから、まずサウナに行って蒸されてみるのもいいんじゃないのかな。最近はキャンプやアウトドアでサウナをやるイベントや機会も増えてきている。僕もサウナ用のテントを買ったり、他の地域の住む仲間に買ってもらい笑、全国各地で楽しんでます。 サウナのことを詳しく知りたくなったら、是非この本をオススメします。サウナー界の親方こと、ととのえ親方(松尾大さん)がまとめられています。これは読むサウナ、なんちゃって。
サウナ&カプセルホテル北欧 住所:東京都台東区上野7-2-16 TEL:03-3845-8000 24時間営業、定休日なし https://www.saunahokuou.com
- Bassist
濱田 織人 / Orito Hamada
ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、NPO法人SOMA副代表理事、アトリエリスタ、茶道家。芸術修士(MFA)。スタジオミュージシャンとして演奏活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと幅広く活動。2017年クリエーティブブティック創業後、活動範囲を音楽以外にも拡大し、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。日本唯一のベースの専門誌ベース・マガジンにて連載経験あり。プライベートでは、裏千家茶道家として初音庵主宰。密かに楽しんでいたサウナの魅力をゆるやかに発信中。サウナ・スパプロフェッショナル。 https://www.instagram.com/oritosroom/