一期一食
007. 大切な日には、優しく育った肉を、丁寧な火入れで
我ながら持っている日に生まれたなと思って…。今年は4年に1度の誕生日(2月29日)がありました。ここ3、4回はライヴをやって過ごすことが多かったのですが、今年は家族でゆっくり過ごしたいなと。ほっと出来る素敵なお店、イルジョットへ。
内装がとにかく優しくて、家にいるように心地がいい。見た目にも優しくて、身体と気持ちが自然と緩んでくる。空間の力って本当にありますよね。美味しく感じるってこういうところも大事だと思うな。オープンキッチンで丁寧に作られている様が見えるのもまた素晴らしくて。
カウンターで軽く飲むなんて出来たら、かなり最高なんじゃないのかな?
前菜はまず長崎の本マグロ、淡路島の真鯛。タコの煮込み。お野菜も絶妙なんですよ。シンプルイズベストはイタリアンと和食の共通項。普段はペアリングで少しずつ楽しくやるんですが、親父と一緒に飲むことになったので、いきなり赤ワインからスタート。イタリアの美味しい赤ワインだったな。個人的にはイタリアのワインが大好きだ。
愛農高校のナチュラルポークで作ったハムに、ブッラータチーズが乗ったブルスケッタ。上には山わさびが乗っています。ハムとチーズの境目がわからないくらい食べた瞬間に両方一緒に溶けた。なんということでしょう。「あーーー」、みんな声が出た。全く脂がくどくない。あれ?みんなで話しながら食べながら飲みながら。気づいたら一瞬で無くなっていた。
イタリア産ホワイトアスパラを焼いたもの。こういうストレートな料理もツボだ。じっくり食べると色んな味がしてくる料理。ゆっくり食べるって僕はすごく大事にしています。普段どうしても急いで食べてしまうから。ご飯をゆっくりいただくってすごく贅沢ですよね。だからこそ、料理も場所も、全部色々こだわりたい。少しずつ身体も準備ができ始めてくる。
お酒も進み、みんなも楽しくなってきたら、パスタが運ばれてきた。運ばれてくるときの言葉とか雰囲気もすごく大事だよね。このお店はお料理を楽しそうに、大事に運んでくださるお店なのでワクワクしてくる。
パスタは、大玉ホタテとふきのとうの手打ちタリオリーニ。味の和音がたまらん。。。ホタテの火の入り方とふきのとうと絡み方。手打ちのパスタってなんでこんなに美味しいんでしょうね。食べた瞬間の感動が違うよね。一緒にする素材の味を全部引き受けて、更に引き上げて。まるでベースみたいだなって(少し、強引か)。パスタもぺろり。準備ができたところでメインが運ばれてきます。
どーん!
先ほど頂いた愛農高校の豚肉、そして鹿児島の熟成和牛サーロイン。野菜の付け合わせもいい。あー、火入れが最高だ。本当に美味しい。水分量とか、中の食感、表面の焼かれ方とかバランスが素晴らしすぎる。次いつ来ようかってすぐに頭をよぎった。美味しいお店の条件のひとつ。野菜もムカゴが美味しかったな。
お肉に関しては、とてもこだわられているのだと思います。お店の中に立派な熟成用の冷蔵庫もあったし。
もう小細工なし。このお肉、本当に素晴らしい。
そして、デザートは各自が選ぶパターンでした。僕は栗のクリームブリュレをチョイス。(昔から栗系には目がない)エスプレッソとのマリアージュは今更言うことじゃないよね。上品な味付けで大満足。親父がティラミス頼んでたので、一口もらったらかなりビター目な仕上げで、演出にやられっぱなし。流石だなと思った。
さっきも言った通り、ほぼバースデーは現場にいたので、こういうこともしてもらってなくて、少しソワソワした。祝うのは得意だけど祝われるのはまだ苦手なようだ…。
大満足で帰宅。ありがとうございました。結構たくさんいただいたけど、あまり疲れないのは、いいご飯の証。自宅に帰ってまた親父や家族とじっくり話し込んだ。こういう時間をこれからも大事にしていきます。
イル・ジョット
〒154-0012 東京都世田谷区駒沢5丁目21−9
TEL:03-6805-9229
営業時間:18:00〜22:30(祝日も営業)
定休日:火曜日
- Bassist
濱田 織人 / Orito Hamada
ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、NPO法人SOMA副代表理事、アトリエリスタ、茶道家。芸術修士(MFA)。スタジオミュージシャンとして演奏活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと幅広く活動。2017年クリエーティブブティック創業後、活動範囲を音楽以外にも拡大し、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。日本唯一のベースの専門誌ベース・マガジンにて連載経験あり。プライベートでは、裏千家茶道家として初音庵主宰。密かに楽しんでいたサウナの魅力をゆるやかに発信中。サウナ・スパプロフェッショナル。 https://www.instagram.com/oritosroom/
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