原川慎一郎さんの空とTexas B.B.Q.

豊かな時間を食がつなぐということ


RiCE.pressRiCE.press  / Jun 6, 2020

RiCE編集部が入る[JINNAN HOUSE]に、ゲストシェフを招いて特別メニューを販売する企画の第2弾にご登場してくれたのは、シェフの原川慎一郎さん。タイトルにある通り、メインディッシュはテキサスBBQのハンバーガー。

テキサスBBQというのは、その名の通りアメリカの南部テキサス州の伝統的な肉料理です。原川さんが数年前に訪れたというテキサスの州都オースティンにも多くのBBQレストランがそこかしこに賑わいを生んでいたそうです。その特徴は何と言っても焼き方。薪火を使い、ドラム缶を横にしたようなグリルで何時間もかけて(夜通し焼き続けるというところも!)じっくりと焼くのだそう。

この日、仕込みが始まったのは朝の7時過ぎ。予想を超える応募があったため、当初予定していた倍の量を準備することになっていました。『ふくどめ小牧場』の豚ロースにマスタードやスパイスを塗り込んで、グリルで焼いていきます。火加減が非常に重要で、本場テキサスでBBQを焼く達人は「ピットマスター」と呼ばれ、その技術は伝統として人から人へと受け継がれているそうです。

「(グリルと)仲良くならないといけないんですよね」と、グリル内の温度を見極めながら、墨と薪で火を調整していく原川さん。

キッチンでは原川さんとともに、[茶空]店長の佐藤奈緒美さんと今回の企画をプロデュースした福田春美さんが着々と仕込みを進めます。テキパキと手を動かしながらも、自然とお話が盛り上がります。「焼き上がるのを待ちながらおしゃべりしたりコミュニティができる、そういう文化」とテキサスBBQを表現してくれた原川さんの言葉が思い出されます。久しぶりに会う人と料理をしながらおしゃべりするだけで、不思議と気分が高揚します。

スペシャルなゲストを交えたガーデン・ブランチ(スタッフのみ)を挟みつつ、気持ちよく仕込み作業続けていると、時間はもう13時過ぎ。この日は、お客さんの密集を避けるため、それぞれ事前に予約をした時間での受け取りシステムとなっていました。

最初のお客さんが到着する14時前、グリルからお肉を取り出すと「うん、いい感じ!」と原川さんも満足の仕上がり。やさしく崩してプルドポークのようにしたら、ハンバーガーの準備完了です。パプリカパウダーとクミンを混ぜたトマトベースの特製BBQソースをかけ、酢漬けオニオンとキャベツ、パクチーを和えて上に載せます。[吉田パン工房]のふわふわバンズで戴冠すれば、Texas B.B.Qバーガーの完成です。

曇り空ではありましたが、むしろ気温はちょうどよく、開放的な空間で各自がスペースを取りながら一息つくには最適な日だったのではないでしょうか。やはりリモートでは叶わない、豊かな時間が一日を通して流れていました。

食事をつくること、いただくこと、きっとその前の待つ時間も含めて、食がつなぐ豊かな時間を再認識させてくれる機会となりました。
 

Instagram
原川慎一郎 @shin_harakawa
JINNAN HOUSE(茶空 SAKUU) @jinnan.house

CREDIT
Filming by Norio Kidera
Video Edit by Yu Inohara
Produce by Harumi Fukuda
Photo & Text by Yoshiki Tatezaki
Special thanks to Naomi, Urri-Hokuto, Daisuke Oguchi

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