『湯遊ワンダーランド』と、薬草香る温香茶
四煎目🍵恋したかったらサウナに行け
日本茶を1000日間毎日飲むというチャレンジ=「1000日茶」に挑戦中
(700日突破!)の俳優・伊澤恵美子が、お茶と漫画をペアリングする連載
「お茶に漫画が合うのだが!!」。第4回目のテーマは、恋とサウナ。
サウナ、嫌いだったんです。
熱いし、顔が焼けるみたいな気がして。
実はあんまり覚えてないんですが、そんな私がサウナにハマったのはタナカカツキさんのマンガ『サ道』を読んでから。サウナの気持ちいい入り方を知ってからだったと思います。
焼けるところまでがサウナじゃなくて、その後の水風呂と外気浴、そこまでがセットなのだと知って、その通りにやってみたところ、私も“ととのう”を体験できたのでした。
もともと旅行やロケの時には必ず各地の温泉やスーパー銭湯を探しては入るという習慣があったのですが、今ではさらに「そこにサウナはあるか?」が必須確認事項になっています。
ただ、サウナ嫌いな人に無理にサウナをすすめるのはなかなか難しい。まあ好きな人だけ入ればいいとは思いつつも、私がサウナをおすすめしたい理由、それは、
恋してる気分になるから。
「サウナでととのった勢いで告白する」というすごいコンセプトの番組が最近ありましたけど、わかる。わかります。
今まではお酒が会話の潤滑剤だったのですが、最近サウナでととのった後も素直な気持ちになれちゃうことを発見しました。
メイクも落ちちゃって毛穴やニキビも隠せないから、もうどうにでもなれーって変に気が大きくなっちゃうし、体が温まって、血流もよくなって、恋してる時の状態になるんですよね。(個人の感想です)
最近恋してなくてつらい…と思う人は、サウナに行って、恋してるような感覚になってみてくださいね。少なくとも血流はよくなりますし。
さて、サウナにハマってから変わった生活様式があります。
私は静岡県出身なのですが、帰省した時に必ず行く場所として[サウナしきじ]が追加されました。しきじといえばサウナ愛好家、通称“サウナー”の間では聖地と呼ばれるサウナです。そんな聖地は、たぶん、実家から一番近いサウナ。
数年前から、静岡の友人たちがしきじに行っただの行かないだのって話をはじめたと思っていたら、有名人が東京からも足を運ぶ聖地になっていました。
いつだってブームは都からやってくる。
もうここ数年、休日は駐車場もいっぱいで、静岡以外のナンバーの高級車が並んでいるのも当たり前。男性側はすぐに入れないことも多いのですが、女性のサウナー人口は男性ほど多くないこともあるのか、さくっと入れることが多いです。
しきじといえば、水風呂と薬草サウナの素晴らしいこと。この辺はもうネットやらテレビやらでいろいろな方がさんざん伝えてくれていますが、漫画では、まんきつさんの『湯遊ワンダーランド』が面白いです。サウナ漫画なのですが、サウナに行くまんきつさんの(ちょっと普通とはいい難い)日常が最高な漫画です。
湯遊ワンダーランド2(扶桑社刊)
湯遊ワンダーランド2(扶桑社刊)
173P「第59話 聖地巡礼」
しきじに対してもちょっと懐疑的な見方から入るところや、女性側のしきじについて男性側とのスペックの違いについてもしっかり書いてくれているところがリアルでいいんです。
ここ数年は、東京に戻る前にしきじに寄り、血管の開きまくった顔で草の匂いを感じながら新幹線に乗るのがお決まりのコースになっていたのですが、最近は実家にも帰れずさみしい思いをしていました。
そんな中、期間限定で開催されていたサウナイベント「サウナタウン下北沢」で特別コラボしていたしきじの草の匂いを久しぶりに味わったら、しきじが恋しくて仕方なくなってしまって……。
サウナタウン下北沢
そんな私の前に偶然、しきじ気分を味わえてしまうような静岡のお茶が現れました。
[茶屋すずわ]さんの「温香茶」です。
静岡駅を挟んでちょうど反対側くらいに位置する[茶屋すずわ]さんは、たしかなお茶の品質と、素敵なデザイン、ハイセンスなSNS投稿も相まって、ファンの多いお茶屋さんです。
そんなすずわさんの「温香茶」は、ととのいたいサウナーにぴったりなお茶。ほうじ茶をベースにいろいろな薬草がブレンドされているんです。
薬草の種類は違うので、しきじの草の匂いと同じというわけではないのですが、体によさそうな草の匂い、絶妙なブレンド、飲むと体が芯から温まって来る感じが、「あー、しきじっぽい!」
お茶とサウナでからだをあっためて、恋、しちゃいましょう。
漫画『湯遊ワンダーランド』(まんしゅうきつこ)
『週刊SPA!』で好評連載中の実録銭湯漫画『湯遊白書』が、『湯遊ワンダーランド』と改題のうえ、ついに発売。アルコール依存を激白した『アル中ワンダーランド』で鮮烈のデビューを飾った漫画家まんしゅうきつこ、今度はまさかのサウナ依存に!?
サウナ・水風呂・外気浴――それらをひたすら繰り返すだけ。すると退屈で灰色だった毎日は、少しずつ熱を帯び色づきはじめた。
作品紹介ページ
お茶『温香茶』(茶屋すずわ)
『現代の茶屋、人々の暮らしになくてはならない大切で優しい寛ぎの存在』をコンセプトに、お茶とそのまわりの物を扱う小さなお店。温香茶はクセが無く柔らかい口当たりのお茶です。体を温めたい方にお勧め。
商品ページ
- Actor
伊澤 恵美子 / Emiko Izawa
静岡市出身(元茶農家の孫)。俳優としての主な出演作に、映画『子宮に沈める』、ノーミーツ『門外不出モラトリアム』など。音声コンテンツプラットフォーム AuDeeでは漫画家・山田玲司氏の番組「山田玲司とバグラビッツ」のレギュラーアシスタントを務める。1000種類の日本茶を1000日間飲み続けるチャレンジ「1000茶」挑戦中(現在800日超え)。コミュニケーションをテーマにしたお茶のプロダクトブランド「BYSAKUU」の立ち上げにも携わる。推し茶は香駿。
- TAGS