2022年11月23日（水・祝）に福岡県博多区のホテル［SO SUMIYOSHI］を舞台に「群日」というイベントが開催されます。

「新たな社交場が生まれるホテル」をコンセプトに、普段の営業では宿泊者を受け入れている同ホテルですが、イベント当日は一館がまるごと「文化と食と音楽を楽しめる、一日だけ現れるホテル」へと様変わり！

東京や福岡県内からユニークな宿泊者たちが集結。フロアごとに音楽ライブや写真展、インテリアや洋服・レコードショップ・レストランにまつわる出店があり、とても盛り上がりそうな予感です。

豪華なラインナップの中でもフーディーが注目すべきは、東京・幡ヶ谷の人気レストラン［will o’ wisp］でしょう。フランスの星付きレストランやアメリカ・ブルックリンの［battersby(バッターズビー)］、代々木公園［PATH］と、国内外の名だたる名店で経験を積んだ光安北斗シェフ（佐賀県出身）が、地元九州へと凱旋します。

イベント特別メニュー として提供されるのは「オサバラシチュー」、クリームシチューの上に焼いた鯖がドスンと鎮座する一品、一体どんな食べ応えなのでしょう。

（以下、北斗シェフコメント）
私達は全世界で最も捌かれている魚種だと自負しています。　
同時に、調理法も無限。　
ただ、何者の愛も拒まない私達もただでこの身を差し出す事は致しません。
せめてもの手解きを、せめてものお零(こぼ)れを。
稀有な有限を願った彼方で、鰯雲さえ越えてしまった。
これがふかふかの鯖雲。　
最早未練は無し、これでオサバラ。

またRiCE本誌の連載「お〜いお茶のある風景」でもお馴染みの写真家・佐内正史さんと、下北沢でカレー屋［八月］オーナーとしてカレーファンにもお馴染みのミュージシャン・曽我部恵一さんのユニット＜擬態屋＞の公演「Radiation-blue」も行われます。イベント最大の目玉になりそうです。

会場では佐内さんによる写真展「体毛の床」も開催されます。1999年に撮影した山笠祭りと、2022年に刊行した最新写真集「写真の体毛」のプリント、 2022年8月9月10月11月のテストプリントの切端などが展示されるよう。

写真展に際して、佐内さんよりコメントもいただきました！

博多といえば中学生の頃に聴いたチューリップ。【博多っ子純情】という曲があって、歌詞の中に「春吉橋」とか「山笠祭り」が出てきたりするんだよね。でも一曲通して明るい印象ではなくて、なんか薄暗いイメージだった。写真家になって1999年、山笠祭りを撮影しに福岡に行ったんだけど、当時聴いた曲のとおり、なんか薄暗い印象で。

佐内さんが1999年に撮影した山笠祭りの様子。

その時に撮った写真は、ずっとそのままにしてたんだけど、先週はじめて6枚だけプリントしてみたんだよね。そうしたら、あぁ、“うまれたなぁ”って感じだった。毛がはえてて、めっちゃフサフサだった。ただ、子猫とかのイメージではなくて、化け猫というか、妖怪みたいな。それは薄暗いイメージが抜けきってないからかなぁ。

佐内さんの最新写真集『写真の体毛』では、撮影してから時間が経った後に「毛が生えてきた」と感じたものがセレクトされている。

今回はその写真と、『写真の体毛』の写真をいくつか展示する予定。ホテルだから壁に穴を開けられない、っていうのもあるけれど。生まれた妖怪をホテルの床とか、ベッドの上とかに載せて展示しようと思う。だから「体毛の床」なんですね。

博多に行くのは久しぶりなんだけど、99年には自分が晴らすことのできなかった薄暗さを、今回は、くっきりさせたいと思っていて。薄暗い情景を終わらせにいきたい。時間もあると思うから、そういう写真が撮れたらいいな。あとはスタバの期間限定フラペチーノも飲みたいね。

東京からの出店組に加えて、地元福岡からもマフィン専門店や気鋭のコーヒーショップが出店予定。ホテルといえば近年はアメリカ発の「ACE HOTEL」を中心に、ライフスタイルホテルが席巻していた時代もありましたが、コロナ禍を受けまたそれらとは異なる文脈で、新しく生まれていく試みに今後も期待大です。

フードカルチャーそれ自体も盛り上がりを見せている福岡だけに、それらと音楽やファッション、写真などがいい塩梅で融合することで唯一無二の時間となりそうな本イベント。お近くの方はぜひ足を運んでみてください。

群日（gunjitsu）
会期：2022年11月23日（水・祝）
会場：SO sumiyoshi（福岡市博多区住吉4-28-14）
展示時間：11：00開場 / 21：00閉場
擬態屋公演：14：00 〜 15：30 / 17：30〜19：00 （要事前予約）
主催：タクラマカン

■入場
当日入場券 ¥1,000 1ドリンク付
公演ライブ付入場券 ¥5,000 1ドリンク・手袋付
※公演ライブ付入場券は限定数事前予約制
【入場券販売】URL:https://reserva.be/liberatedhotel

■出展一覧
101号室 『喫茶店とサンドイッチ』SAND GOTO/喫茶mew/mujina shoten
201号室 『インテリア職人とレコード屋』HIGASHIYA ART FUNITURE/BAGISM/Junes K(OIL WORKS)
301号室 『絵描きとコーヒーとマフィン』ダテユウイチ/Archu and Putica/nai
401号室 『本屋と彫金職人』BUNSHODO/WORKSHOP NANOKAWA
501号室 『料理人』will o’ wisp
601号室 『洋服の人』Skool
701号室 『写真の人』佐内正史写真展「体毛の床」
1001号室 『歌う人』擬態屋(曽我部恵一・佐内正史)「Radiation-blue」