雑誌『RiCE』連動企画
「Drink a beer, sing a song」 柄本佑 × 石橋静河 インタビュー
雑誌『RiCE』最新号のファッション企画には、現在公開中の映画『きみの鳥はうたえる』で主演を務める柄本佑と石橋静河が登場。RiCE.pressでは最新号の特集テーマ「ビール」について、また映画撮影時のエピソードについて語ったインタビューの模様を、誌面に掲載できなかった未公開カットとともにお届けする。
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ビールとの付き合い方
———お二人は普段ビール飲みますか?
柄本:僕はビールが大好きでたくさん飲みます。ビールばっかり飲んでいて、まわりからやめとけって言われるくらい (笑)。
石橋:私もビールは好きで飲みます。以前、姉にクラフトビールの酵母について教えてもらったことがあって、そこから興味を持ちました。普段は一杯目はビールを飲むんですけど、すぐにお腹がいっぱいになっちゃうので、二杯目からは別なお酒を頼むことが多いです。
柄本:ぼくはビール党で、いくら飲んでもお腹いっぱいにならないんです。だからついつい飲み過ぎてしまうんですよね (笑) 。
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———今回撮影のロケ地にもなった「B&B」はビールが飲める本屋さんですが、お酒を飲みながら本を読むことはありますか?
石橋:普段お酒飲みながら読書することは、あまりないです。でもこんな風に、ビールを飲みながら、本を試し読みするのもいいですよね。楽しかったです。
柄本:お酒飲みながら本を読んでる時って、だんだん本の内容がどうでもよくなってきますよね。内容が全然入ってこないけど、ひたすら読み続ける。それで、シラフの時に途中から読み出そうとした時に、何にも覚えてないんですよね。この辺からなら覚えてるだろうって途中から読んでも、全然記憶がない。でも最初からちゃんと読み返したら、明らかに知ってる。あぁ読んだ、この文章、ってなる。不思議ですよね。
初めての出会いの場所
———お二人が初めてお会いしたのも、「B&B」だったんですよね。
柄本:そうですね。三宅 (唱) 監督が「B&B」でトークショーをするので行ったんです。
石橋:わたしも「面白いからトークショー来たら?」って三宅監督に誘われて。そこで佑さんを紹介していただいたんです。
柄本:事前に佐知子役が静河になったっていうのは聞いていたので、顔合わせみたいな意味合いもあったかと思います。その時が初めましてだったので。
石橋:そのまま近くの焼き鳥屋に行って、飲みながらいろいろ話しをさせていただいたんです。
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———かなり密度の高い映画で。劇中でもすごくお酒を飲んでいる印象が強いのですが、どこがシラフでどこが酔っ払っているのかわからないくらい。
柄本:そうですね。実際に飲む必要があるときはマジで飲みましたよ。クラブのシーンとか。
石橋:クラブのシーンは6、7時間かかる予定だったんですけど、3時間くらいでキュッと終わったんです。でもすごい、長く感じましたね。一晩中踊った気分でした。
———あのシーンは本当に名シーンでしたよね。お酒を飲みながら、あんなに幸せな時間ってこれまで映画になったことがあったかなって思うくらい。
柄本:あの撮影は疲れたよね。ショットでテキーラを飲むシーンがあったり。朝までやって、翌日が撮休だったんですけど、よく考えたら寝たら実質半日にしか休めないなって (笑) 。でも一緒に函館山を登ったりしたよね。函館山の雰囲気がすごくよくて気に入っちゃって。
石橋:雄大でちょうどいい大きさなんです。
柄本:函館山を登って、帰りに谷地頭温泉に寄るんです。そこが健康ランド風になってて、そこで飲むビールが最高。居心地が良すぎて、マジで帰るのが面倒くさくなる。
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ご褒美のような作品。そして人生最高のビール
———撮影はシーン通りに進行していったんですか?
柄本:いや、バラバラですよ。でもラストシーンは終わりの方に持ってきてもらいました。撮影していく中で台本も変わっていくんですけど、ラストシーンついてはしっかりと話し込んで、セリフとかも決めていきました。最後のシーンの撮影の三日前くらいから、三宅さんと、静河と、俺とでホテルの一階のロビーに集まって。こんなこと言うんじゃないか、あんなこと言うんじゃないかって。俺たちが好き勝手言うのを、三宅さんが回収して、夜な夜なパチパチしたものを次の日にプリントアウトして持ってきて。また撮影が終わった後、本読みをして。このセリフ違うなとか話し合って。その繰り返しの中で、セリフを付け足したり、何がラストに必要なのかが定まっていきました。
———セッションのような形でつくりあげていったんですね。やっぱり染谷 (将太) くんも含めて三人の心の変化がすごくこの映画のポイントになっていると思うんです。
石橋:3人の関係がいつか終わるっていう予感がどんどん強くなっていきますよね。それがすごく寂しくて。終わりが絶対くるってわかっているけど、一つ一つのシーンがすごく楽しかったので。それが撮る度に終わっていってしまうのが寂しかったです。でも個人的にもすごく幸せな時間でした。
柄本:三宅監督とは今回が初めてで、最初にお話をいただいたのが2015年の11月だったので3年くらい付き合っている感じで、現場はものすごく楽しかったですね。打ち上げもめちゃめちゃ寂しくて気が付いた時には朝の8時。すごく離れ難かったというか、純粋に楽しかったんですよね。クランクインの時にも「始まっちゃったから終わるな」って思ったんです。だからこの現場が当たり前だって思っちゃまずいってすぐに思いました。これは本当に17年間辞めずに頑張ってきたご褒美なんだって。
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———やっぱりそんな気がしました。観ててそれくらい特別なんだろうなって。これだけの作品、監督に出会えたっていうのは本当にご褒美みたいなものかもしれないですね。
石橋:私はご褒美が早く来すぎちゃいましたね (笑) 。
———最後に今まで生きてきて一番美味しかったビールを教えてください。
石橋:私は函館を回った後の、温泉入った後のビールが好きでした。温泉入った後に飲むっていうのを初めてやって、これはやばい! って (笑) 。
柄本:ぼくは、函館のシャロームインの一階の生かな。うまいっすよ。サーバーがあって、300円払って飲むやつ。普通のシャロームインのスタッフが注ぐと、7:3くらいにしてくれるんです。でもある特定のおじちゃんの時は、自分で入れていいよって言ってくれて。ぼくはビールに泡があるのが好きじゃないので、自分でMAXまで泡なしで入れて飲む! それが一番ですね。
———ふたりとも今回の撮影で出会ったビールということですね (笑) 。ありがとうございました!
『きみの鳥はうたえる』
今号のファッション特集に登場した柄本佑、石橋静河が出演する映画『きみの鳥はうたえる』が公開中。原作は「そこのみにて光輝く」などで知られる佐藤泰志の小説で、監督は『Playback』など意欲的な作品を制作してきた三宅唱が務める。原作の骨格はそのままに舞台を東京から函館に移し現代の物語として大胆に翻案した。もうひとりの主要キャストには染谷将太を迎え、若手実力派俳優たちと新鋭監督が作り出す青春映画の傑作となっている。
9月1日 (土) より新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほかロードショー。以降全国順次公開
http://kiminotori.com
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- Photography by Kohei Kawatani
Styling by Riku Oshima
Hair & Make up by Go Takakusagi
Text by Hiroshi Inada
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