HEAVENS KITCHEN

美味しい旅に国境無し。出張料理人ルア参上。


Lua SodaLua Soda  / Sep 21, 2018

はじめまして 出張料理人のソウダルアと申します。

僕のことを知らない方がほとんどだと思いますので、まず僕が料理を始めたきっかけや、その思考や思想についてお話したいと思います。

僕が料理(のようなもの)をはじめたのは5歳のころでした。ある夜、うまく寝つけなかった僕は、なんとなくキッチンに入ってみたのです。珍しく少し開いていた棚を覗くと、そこには様々なスパイスや調味料が研究所のようにずらーっと並んでおり、さらに冷蔵庫を開けてみると、色とりどりの食材が宝石箱のように詰まっていたことを今でも鮮明に覚えています。

この子たちを使うことで、あんなに美味しいものになるんだ”

僕にとってそれらは、車のおもちゃより、サッカーボールより、テレビゲームより、幼稚園でならったお歌より、きらきらひかって見えたのです。

その日から親の目を盗んでは用意されていた料理に何かわからないスパイスや調味料をかけてみたり、火を入れなおしながら加えてみたり。今でいう「味変」と呼ばれているものを繰り返しおこなったこと。それが僕にとっての料理のはじまりでした。

それまでは、親と学校に支配され、一方的に与えられるものでしかなかった食事というものが、毎日起こるイベントに変わりました。イチからスパイスカレーをつくるときも、立ち食い蕎麦をたぐるときも、みんなで鍋をつつくときも、家でインスタントラーメンを茹でるときも、日本各地で素敵な食材に出会ったときも 今も変わらず、新たな“美味しい”を探す愉しいイベントなのです。

そんなことを繰り返しているうちに、自分なりの料理のスタイルが出来上がっていきました。どんな食材にも美味しくなる権利とチャンスがある。人々が見逃すような、見捨ててしまうようなものたちを、どうすれば美味しくいただけるようになるのか。

ひたすらに、考えて考えて考え抜き、産まれたひとつの答えは、美味しい料理をつくるために素材や調味料を集めるのではなく、そこにある素材のためにふさわしい調理法や環境を用意する。素材と料理人の主従は素材こそが主で、僕はそこにつき従いあれやこれやと立ち回る。

それこそが僕のつくりたい料理のカタチである、そう気付いたのです。ここに思い至るには、出張料理人として様々な土地に赴いたことが大きく関係しています。それらの土地で生まれたひとつひとつのストーリーを手にとって、たしかめて、味わう。

そんな美味しい旅に、これから僕と一緒にでかけましょう。

2018.9.21 ソウダルア

▲ ソウダルア Food Installation “All altitudes of NIO, from the sea to the mountain”
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